マイクロプラスチックが海中で魚より増え1週間にカード1枚分を摂取?

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岩塩を使い始める大きなきっかけのひとつになったのが、海に流れ着いたマイクロプラスチックです。目に見えないほど細かくなったプラスチックが海の中に存在し、問題になっていることを知りました。

 

このことがきっかけとなり、岩塩のこと、そして海の塩の持つ素晴らしさを再確認。

 

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どれだけ感激したからと言って、海の汚染やプラスチック問題が解決することはありません。プラスチックについてもう少し掘り下げながら、どうして海にマイクロプラスチックがあふれるようになったのかを確認していきましょう。

 

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便利さと効率を求めた先でプラスチックの誕生

 

すでに、世界のいたるところでプラスチック製品は浸透しています。これだけたくさんの用途に使われている今、プラスチックがまだ存在しなかった時には、何を代用していたのだろうと不思議になります。

 

プラスチックが誕生する前のくらし

プラスチック製品が広く普及しだしてから、まだ100年経っていません。

 

初めて作られたプラスチックは『セルロイド』と呼ばれ、1860年代にビリヤードの玉に使われました。日本では、1940年台に、石油を利用した合成の樹脂が作られますが、戦後塩化ビニールが生産されるようになり、1950年台後半から大きな工場でさまざまなプラスチックが大量に生産されるようになります。

 

今の暮らしを見渡してみると、家の中、部屋の中、カバンの中には、いくつものプラスチック製品があるのではないでしょうか?

 

プラスチックの恩恵は日本人ならすべての人が、受けているはずです。プラスチックが生まれた当初は燃えやすかったり、壊れやすかったりしたのですが、どんどん改良され使いやすく耐久性のあるものに改良され続けています。

 

それでは、気軽に使えて便利なプラスチックが生まれる前の私たちの暮らしはというと、プラスチックがなくても、きちんと暮らしが成り立っていました(当たり前ですよね)。今とは、生活スタイルが違うので、そのまま比較することはできませんが、天然素材から作られているので時間が経てば土に帰り、地球環境に係る負担は格段に少なかったはずです。

 

私が小さい頃にはお豆腐屋さんが近所にあったのでボールを持って、よくお使いに行きました。八百屋さんにも、買い物ガゴを持っていくのが当たり前。買い物に行けば、紙袋に入れてもらえました。

家の中にあるものもほとんどが天然素材。畳はい草、屋根は瓦、柱だって天井だって木製です。柱にかかる時計だって、木製のネジを巻く時計です。小学2年生の時に買ったテレビだって枠組みは木です。地デジが始まり、使えなくなってしまいましたが、ギリギリまで現役でした。

牛乳だってヨーグルトだって瓶に入っていました。

小さな子供が押しながら歩くといくつものパーツが持ち上がるおもちゃも、もちろん木製です。大人から子どもたちの暮らしをいっきに変えていったのが、プラスチックです。

 

増え続けるプラスチックの生産量と止まらない廃棄量

 

プラスチックが広く定着し始める1950年台に、一年間に200万トンだった生産量が、最近では4億万トンに近づくほどです。200万トンでも全く想像がつかないのに、4億トンとはどういう量なのでしょう。

 

ポリエチレンやポリプロピレン、塩化ビニールなど、全てのプラスチックを合わせると、今までの総生産量は83億トンになります。数字が大きすぎてよくわからないので、身近な例えが欲しくなります。

 

現在の世界人口が約70億。かなり大雑把になりますが、今の人口で今まで生産されたプラスチックの総量を割ってみると、おおよそ1トン、1000kgです。赤ちゃんからおじいちゃんまで、今いる世界中の人が、ひとり1000kgのプラスチックを抱えた総量が、今まで世界中で作られたプラスチックの量になります。

 

そして、83億トンのうち、すでに60億トンは廃棄されているのでもう使われていません。60億トンのうち、リサイクルされたものは9%だけ。12%は焼却され、それ以外の廃棄されたプラスチックは埋め立てられたか、海などに捨てられています。

 

今後もプラスチックの生産量も廃棄量も増え続ける状況が続くと2050年には、海の中に蓄積されるプラスチックの量が魚の量を上回るとさえ言われています。

 

海に流れ着いたプラスチックの行方は?

 

「もしも地球上で暮らす人間が全ていなくなったら」という、動画がいくつも作られています。

 

その中で再生回数が500万回にもなる動画では人間がいなくなって25年経つと都市や町は草や砂に埋れ、300年経つと金属の橋や高層ビルなどが倒壊していきます。1万年経つと人類が残した建造物は、ピラミッドやマウントラッシュモアのような、自然素材からできているものだけに。そして、5000万年経った後もプラスチックなどは地球上に残るようです。

 

さまざまなところにたどり着くマイクロプラスチック

 

改良されて耐久性が上がったとは言え、太陽の光があたったり雨風にさらされたりしながら、プラスチックは劣化を始め、どんどん細かくなっていきます。目に見えない大きさになったとしても、微生物などに分解されることはほとんどなく、プラスチックのまま残り続けます。

 

そして、その他のゴミなどと一緒にたどり着く先は海です。海の中に流れ込んだプラスチックは、プランクトンが餌と間違えて食べてしまいます。そのプランクトンを小魚が食べ、小魚を食べた大きな魚の体内でも、プラスチックの特質を持ったままの存在します。

 

実際に数年前に東京湾近郊で取れたカタクチイワシを解剖してみると、64匹中49匹からマイクロプラスチックと呼ばれる5mm以下のプラスチックが確認されています。イギリスで取れるムール貝を調べた研究結果では、全てのムール貝からマイクロプラスチックが見つかっています。

 

そして海の塩にもマイクロプラスチックが紛れていることが、複数の研究結果からも明らかです。水道水からも、マイクロプラスチックが見つかっています。海だけにとどまらず、地球上のあらゆるところに、私たちが使ったプラスチックがたどり着いています。

 

そして、魚介類をたとえ食べなくても海塩や水道水などを通して、マイクロプラスチックは体内に入っていきます。健康に影響が出るほどではないとも言われていますが、実際のところは全くの未知数です。
最近の研究ではたった1週間の間にクレジットカード一枚分に当たる量のマイクロプラスチックを体内に取り込んでいると言われます。

 

そして、今までの大半の研究ではろ過することのできなかったマイクロプラスチックよりも、もっと小さなプラスチック『ナノプラスチック』の存在も取り上げられるようになっています。

 

マイクロプラスチックを作りだす原因

 

マイクロプラステックは、2種類に大きく分けることができます。作られた時点ですでにマイクロプラスチックの状態であるものを『第1次マイクロプラスチック』と呼び、レジ袋やペットボトルなどが劣化して細かくなったものが『第2次マイクロプラスチック』です。

 

身の回りをきれいにするために買った商品が結果として海を汚し戻ってくる事実

 

私たちが使ったレジ袋やさまざまなプラスチック製品が、時間をかけながら海に流れ着き小さなマイクロプラスチックになるとイメージする人が多いでしょう。もちろん、使い終わったものからマイクロプラスチックにもなりますが、マイクロプラスチックの原因はそれだけではありません。

 

マイクロプラスチック問題を解決していくためには、踏み込んだ情報収集が大切です。それは私たちが知らず知らずのうちにマイクロプラスチックが入った商品を購入して、海に流していることです。

 

その代表格が洗顔料や歯磨き粉に入っている『スクラブ剤』です。

 

スクラブ剤は汚れだけではなく余分な皮脂や毛穴に詰まった汚れを落とします。何気なく使っている洗顔料には、すでにマイクロプラスチックが入っています。洗顔料を使い顔を洗えば、その都度マイクロプラスチックは洗面台から海への旅を始めます。

 

マイクロチップが海に流れ込まないフィルターを備えている下水処理場は、ごく僅かです。スクラブ入りの商品を使った分だけ、海にマイクロプラスチックがたどり着きます。

 

自分の体や身の回りをきれいに清潔にする化粧品や日用品を使うと、その時はもしかしたら『キレイ』になったのかもしれませんが、結果として川や海を汚しています。

 

全てのスクラブ入りの製品がマイクロプラスチックを使用しているわけではありません。もともとはプラスチックではなく、天然素材が使われていたのです。たぶんですが、作りやすさとコスト面から、プラスチックが取って代わったのかもしれません。

 

多くのメーカーもこの問題をきちんと受け止め、マイクロプラスチックではないものに切り替えるところが増えています。中には国をあげて、使用禁止の法令を出したところもあります。

 

地球上のあらゆる場所に存在するマイクロプラスチック問題を解決していくためには、日々の暮らしの中で選択力を養っていくことが求められます。国や企業の責任はもちろん重要ですが、私たち消費者も値段や謳い文句だけで、買い物をしないこともとても大切です。

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