チャンギ国際空港は、2013年から6年連続『ワールドエアポートアワード』の第1位に輝いています。6年連続で1位を受賞し続けることは、とても異例のことで、利用者目線の整備やサービスに重点をおき、常に向上していこうという意思の結果と言えるでしょう。
その他にも、さまざまな賞に表彰されているのですが、その内のにひとつが『Best Airports for Overall Experience』です。この賞にも連続第一位の座に輝き、他の空港に引き継がれる気配が感じられません。
そんなチャンギ国際空港で、『空港泊』をした体験を紹介します。
ものすごく期待していた分、まさかの結果となりましたがその理由と合わせて紹介します。
『空港泊』と聞くと、空港内にあるホテルやラウンジに1泊することと思う人もいるでしょう。確かにそういうときにも使われるかと思うのですが、ここでの空港泊は空港の施設内にある無料のソファなどで一夜を明かす意味の空港泊です(笑)。
さまざまな賞に輝く、旅行者目線のチャンギ国際空港での空港泊をお伝えします。
目次
Best Airports for Overall Experience
初めての空港泊をした時には子供と一緒だったこともあり、ちょっと下調べをしてみました。
そんな時に出会ったサイトが『Sleeping in Airports』でした。英語のサイトなのですが、とても詳しく書かれていて、空港泊をする時に気をつけたほうがいい心得などもしっかり書かれています。
実際に空港泊をした人のレビューも書かれているので、どんな雰囲気のところなのか想像しやすかったです。
アンケートの結果、順位づけされた『Best Airports for Overall Experience』も公表されています。
どんな項目で順位が決まるのかと言うと、8項目の内容を考慮しています。
ゲイト周辺のイスなどの快適度、サービスや設備、空港内の食事やイミグレーション、清潔さなどと一緒に、『Sleepabilitiy』という項目があります。
8個全ての項目の合計点から、世界中の空港の中から毎年一回順位が表彰されています。
空港泊の詳しい情報が載っているサイトです。
英語のサイトになりますが、かなり詳しくのっているのでいざ空港泊をしようと思っている人は、ぜひ覗いてみて下さい。
チャンギ国際空港で仮眠をとるなら制限エリア内が断然のおすすめ
数年前から、始めている空港泊。
値段重視でフライトを選ぶとつい、乗り継ぎの飛行機が翌朝の出発になることがよくあります。
せっかくお得なフライトを見つけてもホテル代を払うことを考えたら、どっちがいいんだろうということになってしまいます。
空港内のホテル泊ではなくそのままの空港泊
そんな時に出会ったのが、空港の施設に泊まる『空港泊』です。
これなら、空港から離れたところまで移動する必要もありません。せっかく宿をとっても、フライトが早朝便の場合、何のために宿まで移動したのかということにもなります。
何度か空港近くのホテルを探したこともあるのですが、「ここに泊まりたい」と思えるところも見つかりませんでした。
目覚めたらすぐチェックインができるので、早朝便でも意外とのんびりすることができます。
宿泊代もかからないので、予算を抑えたい旅にぴったりです。私は、この分の予算を美味しいご飯に使いたいです。無料なのに、意外と快適に眠れるので、フライトによって空港泊が発生する機会がよくあります。
そして、空港泊をしているといろいろな人達がいることがわかります。
空港なので世界中から色んな人が集まってくるは、当たり前ですが。そんな中、思い思いの旅の途中に立ち寄った人たちが、ひとつの空間に集まります。
仮眠をとった後に、どこへ旅立っていくのかもわかりません。
国籍や文化などが違う人たちと何となく、時間と空間を共有することが、旅のひとつの楽しみにもなっています。
毛布が配られるチャンギ国際空港
シンガポールのチャンギ国際空港を利用したことは何度かあったのですが、空港泊をしたことはありませんでした。
シンガポールに関しては、宿にも泊まったことがありません。
知り合いの家に泊まらせてもらったことはあります。
シンガポールで用事を済ませた後にバスを乗り継いで、ジョホールバル(マレーシア)に3泊して、またシンガポールに戻ってきたこともあります。
この時は、タイから来た友達家族とチャンギ国際空港で待ち合わせをして、一緒にでかけました。ジョホールバルまで移動したのは、宿代を節約するためです。
シンガポールの宿をきちんと調べたことはないのですが、すでに食事代からして高いので、なるべく長居はしないようにしていました。
3人の食べ盛りの子供を連れてのシンガポール滞在は、それなりに予算が必要です。
そんなこともあり、シンガポール事態なんとなく遠巻きにしてきました。そんな時に同じように子供と一緒に海外へ出ることの多い家族から、シンガポールの空港泊について教えてもらいました。
かなり快適に泊まれて、フリース素材の毛布を持って係の人が来て「お使い下さい」と言ってひとりひとりに配っていると。
びっくりです。
たしかに彼女の家には、『Changi』と書かれた同じような小ぶりの毛布が何枚もありました。
まさか、空港泊をするためだけにシンガポールへは行かれません。「シンガポールはさすが、違うなぁ」と思ってから3、4年たって、ようやくその機会が訪れました。
チャンギ国際空港での初空港泊
何年か分の期待と何年も連続して『Sleeping in Airports』のサイトで1位の栄冠に輝き続けているチャンギ国際でしたので、かなり快適に空港泊ができると確信していました。
さて、どんな快適なイスでぐっすり眠るのだろうと、第3ターミナルの中で寝場所を探したのですが、横になれるような椅子はありません。
ちょっと疲れていたのですがぐっすり眠るために歩き回ってみたものの、『座るためだけ』に作られたイスばかり。
これは、ちょっと意外でした。
インフォメーションで聞いてみたのですが、出国して出発ターミナルの中に入らないと仮眠を取れるような場所はないと言われました。
他のターミナルに行ってもそれは同じ。出国前に仮眠を取るためには、有料のラウンジを利用してくださいと言われました。
「I’m sorry.」と言われましたが、いえいえシンフォメーションの人が謝ることではありません。
そうなんですね。
出国する前は、あのイスに座るしかないのですね。まァ、イスで空港泊もしたことがあるので大丈夫だろうと気を取り直し、それでも静かな場所ということで第3ターミナルの3階を教えてもらいました。
私たちがひと晩明かしたイスです。
確かに、かなり静かだったのですが、残念ながら熟睡はできませんでした。
それにちょっと寒かった。あるだけの服を着て、サロンをかけて眠ろうとしたのですが、あまり眠れませんでした。
横を見ると、娘たちもかなり寝づらそうにうっつらうっつらしていました。
どう姿勢をかえても、これなら眠れるという形が見つけられませんでした。
寝てるんだか起きているんだかわからない子どもたちを見て、「きちんと調べなかったこと」と「宿泊代をやっぱり出せばよかった」なぁと思いました。
少し前に成田で空港泊をした時には出国する前にも横になれる椅子があったので、チャンギ国際空港にも、確実にあるものと決めつけていました。
まぁ、これもいい経験です(笑)。
それでも、不思議と翌日も一日したいことができて、美味しいご飯も食べられましたぁ。
「寝不足だから食欲が出なかったらどうしよう」なんて、浅い眠りの中で思っていたのですがいらぬ心配でした。
別世界の制限エリア内の設備
ほとんど眠れなかったので、帰りは早めに来て出発ターミナルの中でゆっくりしようということになりました。
前日のインフォメーションの人は、エアアジアは飛行機が離陸する時間の12時間前から、中に入れると言ってました。
それなら、早く来すぎでも表で待つ必要もありません。
チャンギ国際空港に戻ってきたのは、たぶん3時頃。MRTを降りてから今度は第3ターミナルに向かわずに、第2ターミナル側に進みます。私たちのフライトは第4ターミナルから出るので、まずは第2ターミナル。
そして、バスに乗って第4ターミナルです。
改札を出て第2ターミナルからバス乗り場に向かっているときも、ついつい『イスチェック』をしていました。
空港泊に向いてそうなイス探しに目が行ってしまいます。
第2ターミナルに来ても、第3ターミナルとイスの寝心地は変らない感じでした。
第3ターミナルのイスのほうがもしかしたら、眠りづらかったかもしれません。
ただ、隅から隅まで見ていませんので、どこか別のところに背もたれが高くて、足が伸ばせるような椅子があったかもしれません。
そして、見つけました。
真っ直ぐに横になれないまでも上半身は横にできそうなイスが、ターミナル4へ向かうバス乗り場のところにありました。
ただ、バスは24時間運行されているので、どこまで眠りやすいかは実際に寝てみないとわかりません。
第4ターミナルまでのバスについては、チャンギ国際空港の公式サイトにも載っているので見て下さい。
日本語に訳すこともできますが、イマイチわかりにくいところもありますので、両方照らし合わせながら確認したほうが確実です。
移動のバスの中です。
ものすごく快適ですが、数分で到着するので眠るわけにはいきません。
別世界!空港泊するなら断然、制限エリアに入ってから
前日の寝不足も特に大きな影響はなく、この日にしたいことすませ、ちょっと奮発して美味しい中華も食べてきました。
買い物した分の『GST(消費税)』を返却してもらうための手続きもお店でしてたので、数%ですがシンガポールドルが戻ってくるのは嬉しいです。
中には、税金が戻ってくることを知らない人もいると思いますので、気になる人は、別のページを覗いてみて下さい。
オートメーション化(?)されたイミグレを通って、荷物検査で夕ご飯のカレーを没収されて、チャンギ国際空港の制限エリア内に突入しました。
当たり前のようにコンセントがあります。
あっちにもこっちにも寝心地の良さそうなソファが置かれています。
昨日の宿?として利用させてもらったイスとは全く別物です(笑涙)。
しかも、『Napping Area』なるものや『TV Lounge』が地図上にあります。
早速行ってみました。
こんなイスやあんなイスまでありました。
しかもとっても空いています。
明かりもちょうどよく調節されています。心地よく眠れ首や肩が痛くなることなく、旅の疲れを癒やすことさえできそうです。
TV Loungeはこんな感じで、調度ワールドカップのハイライトが流れていたのですが、それでも特に混み合っていることはありません。
空港内の設備が充実しているので、どこへ行ってもゆとりを持ってフライトまでの時間をすごすことができます。
ご飯を食べるところも、もちろん24時間であいています。
色んな国のご飯が食べられる『International Food Hall』もあります。
そして、衝撃とも言える(私たちにとってですね)真実を紹介します。
衝撃の新事実かもしれません
チャンギ国際空港ではイミグレーションを通ったあとの制限エリアにしか、体を休めるところがないと思っていたのですが、どうやらターミナル4には制限エリアに入らなくても、『Napping Area』がある感じです。
下の地図を見てもらえれば、わかるかと思います。
イミグレーションの手前左側に、制限エリア内にあった『Napping Area』と同じマークが書かれています。
イミグレーションを通る時には、すでに中にはいって休むことを考えていたことと、機械を使わなくてはいけないことから、ちょっとドキドキしてしまい、直ぐ側にそんな場所があったことさえ気がつきませんでした。
私たちはあまり眠れずに一夜をすごしましたが、チャンギ国際空港の制限エリアの外で仮眠を取りたい人は、ぜひぜひターミナル4まで行ってみて下さい。
さぁ、このことを子どもたちに伝えようかどうか、迷ってしまいますが…。
「もう、ママはぁ~」と言われそうです。
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