今いる日常を抜け出して未知なる世界や新しい自分と出会うために「旅に出てみよう」という気持ちが生まれたら、ワークアウェイやウーフを選択肢に入れてみてください。
どちらも、ホスト先でボランティアをしながら滞在でき、宿泊と食事を提供してもらえる旅人泣かせの嬉しいシステムです。ただ、どちらに申し込みをしても同じというわけではありません。
申し込みの仕方や、登録料、参加しているホストやボランティア内容などに違いと特徴があります。ウーフとワークアウェイの違いをまとめてみましたので、どっちに申し込みをすればいいのか、迷ってしまったときに役立ててもらえたら幸いです。
親戚や友達の家ならホテルやゲストハウスに滞在する時のように、宿代を払うことはないでしょう。
友達の家に遊びに行くのも楽しいですが「まだ行ったことない国や場所に出かけてみたい」「世界中を旅してみたい」と言う声が、あなたの中から聞こえてきたらワークエクスチェンジへの参加をおすすめします。
WWOOFやWorkawayに参加をすれば、世界中の国に友達や親戚の家ができも同然(ちょっとだけ大げさ?)です。
まだ見ぬ世界への憧れを実現していくチャンスは、誰でも持っています。
共通しているWWOOFとWorkawayの理想
どちらの協会も、世界を旅してみたいと思っている旅人とそんな旅人との出会いを心待ちにしている家族やプロジェクトを結び付けてくれるサービスを提供しています。
旅人にとっても、受け入れ側にとっても「行ってみてよかった」「来てもらってよかった」と思えるような出会いをサポートをしています。
ウーフもワークアウェイも、お金のやり取りをするのではなく「1日4~6時間のお手伝いと食事プラス眠る場所」そして「文化交流や人と人として交流」を交換し合うことが基本です。
そのため、観光旅行では感じることや触れることできない、多くの人との出会いや交流が生まれ、なおかつ滞在費を節約できるというなんとも恵まれた時間をすごすことができます。
同じ志を持つWWOOFとWorkawayの違い
日本人には1971年にイギリスで生まれ、日本でも「ウーフジャパン(WWOOF JAPAN)」として1994年から始まった、WWOOFのほうが認知度が高いのではないでしょうか。
ワークアウェイ(Workaway)は、まだまだ知らない人も多いかと思いますが、ウーフ同様、海外へ行きたいという思いを持っている人に大きな足がかりを提供しています。
WWOOFとWorkawayの登録方法と登録料の違い
どちらも実際に現地へ行って、実際にボランティアを始めるためには、登録をして登録料を払う必要があります。
手続きをする上で細かい違いもあるのですが、ウーフとワークアウェイの登録には決定的な違いがひとつあります。
ウーフはひとつひとつの国ごとに登録
ウーフは国ごとに独立した組織であること、ワークアウェイは、140カ国以上の国がひとつのワークアウェイであることです。
そのために、ウーフに参加して外国へ行く場合には、希望するそれぞれの滞在国に申請をします。
もし、台湾とネパール、スリランカにウーフで行ってみたいと思っている人がいたら、WWOOF Taiwan、WWOOF Nepal、WWOOF Sri Lankaに個別に登録をします。
それぞれの登録料はこんな感じです。
・WWOOF Taiwan の登録料が800台湾ドル
・WWOOF Nepalは40USドル
・ WWOOF Sri Lankaは35USドル
どの費用も、ひとり1年間の登録料です。
国によっては友人と一緒に登録する場合には、お得な料金を設定しているところがありますので確認してみましょう。
Sri Lankaは、ふたり用の登録プランがあり50USドルです。
WWOOF Independents
ウーフは基本、国ごとの独立した組織になっています。中には国ごとに事務局が、存在しないところもあります。
それらの国は『WWOOF Independents』として、ひとつのグループを作り運営しています。
どの国がWWOOF Independetsに登録しているのか、気になりますよね。
参加している国は、WWOOF Independentsの公式サイトに掲載されています。
たとえば、ラオスやモロッコ、トンガにウーフで行ってみたいと思っている人は、WWOOF Independentsから始めてください。
https://wwoofindependents.org/
WWOOF Independentsの登録料を紹介します。
・ひとり20ユーロ
・ふたり30ユーロ
WWOOF Independentsに登録をしている国なら一度登録をすれば1年の間、どこの国でもウーフをすることができます。
WWOOF Independentsに登録している国は、ホスト数が少ない点が共通しています。ひとつひとつの国のホスト数は限られますが、90カ国以上にいる998ものホストと繋がれるのが、WWOOF Independentsです(2019年7月現在)。
ワークアウェイは世界中のホストとボランティアを結ぶひとつの集まり
ワークアウェイの魅力のひとつは、140カ国以上の国々がひとつのグループとして運営していることです。
行ってみたいと思っている国に限定されず、ワークアウェイに登録をすればワークアウェイのボランティアとして1年間すごすことができます。
Workawayの1年間の登録料をお伝えしますね。
・ひとりの場合には34USドル
・ふたりの場合には44USドル
登録しているホストの違い
ウーフとワークアウェイは運営している形に大きな違いがあることを紹介しました。実は、WWOOFとWorkawayに参加しているホストにも違いがあります。
ウーフホストの特徴は『Organic』
WorldWide Opportunities on Organic Farmsの頭文字を取って、WWOOFと呼んでいます。最後に『organic farms』がついているところが、ウーフの特徴を表しています。
個別の国で運営しているWWOOFも、WWOOF Independentsに参加している国でも、登録しているホストは有機農業(移行中の場合も)を実践している農場が中心です。
育てている作物はさまざまで、時には、果樹であったり畜産農家であったりしますが、ホストの暮らしや作物を育てていく時の選択肢は『Organic』。
すべてのホスト先が専業農家ではありません。ゲストハウスを運営しながら、農場で野菜を育てていたり、副業として野菜作りをしているところもあります。
持続可能な農法を取り入れている暮らしを体験したい、有機農業やパーマカルチャーについて学びたいと思っている人にはWWOOFがおすすめです。
ウーフのホスト先で、自然環境のことを考え、自然に与える負荷をできる限り小さくしようとする暮らしに触れることができます。
例えば、ホスト先で食事を作るときにWWOOFのホストなら、遺伝子組み換え作物や化学調味料などの添加物にも気を使っていることが多いかと思います。お皿を洗うときにもごくごく一般的な合成洗剤ではなく、可能な限りナチュラルな石鹸やソープナッツなとが置いてあるのではないでしょうか。
また、『ウーフイコール農業』と思う人が多いかもしれませんが、ホスト先によってお手伝いする内容はそれぞれです。
収穫した野菜を袋詰めしたり、時にはマーケットで販売のお手伝いをしたり、動物を飼っていれば、お世話を頼まれることもあるでしょう。
ワークアウェイのホストはさまざま、ひとくくりにできません
ウーフがオーガニック農場を中心にした集まりなのに対して、ワークアウェイのホストはその職種や暮らし方がさまざまです。
オーガニックやパーマカルチャーを基本にした農場も、ホストとしてたくさん登録していますが、農法に制限がないために必ずしも有機農場とは限りません。
農家以外のホストを紹介しますね。
・農場を持たない都市部にあるゲストハウス
・地元でアドベンチャーツアーを催している旅行会社
・村の子供達に英語を教えてくれるボランティアを探している教室や家族
・留守中のペットのお世話を探している人
農作業ばかりをするのではなくゲストハウスのお手伝いなど、幅広い分野のボランティアをしてみたいと思っている人は、ワークアウェイに登録しているホストからそのときに訪れてみたいホスト先を見つけられます。
ウーフにもワークアウェイにも登録しているホスト
ウーフとワークアウェイのホストリストを見ていると、どちらにも登録しているホストを見かけます。
2017年12月から3週間の間に、私が3人の子供と滞在したホスト先(ラオスにあるナムカーンプロジェクト)もウーフにもワークアウェイにも参加をしています。
両方に参加をしているホストは『Organic』という枠組みの中に入るホスト限定です。ウーフにもワークアウェイにも登録をして、世界中にいるボランティアへ呼びかけをしています。
WWOOFやWorkawayにホストとして参加をするには、登録料にいくらかかるのか気になりました。ホスト側は登録料なしで、参加できるケースもあるようです。
ワークアウェイとWWOOF Independentsにホストとして参加する場合には、登録料はかかりません。
個別の国ごとウーフを見てみても、はっきり書いてない国もあるので、登録料はいらないのかも?と思っています。
私が10年ほど前に、ウーフジャパンにホストとして参加していたときには、1年ごとに登録料を支払いました。(年数を重ねていくごとに、割り引かれるシステムです)
WWOOF NewZealandやCanada はウーファー、ホスト共に50ドルの参加費が必要と書かれています。
WWOOF Portugal は、ホストのほうがウーファーよりも高い登録料を払います。
18歳以下は保護者と一緒に参加可能
ウーフやワークアウェイのサイトを開くと、参加できる年齢について書かれていたり『よくある質問』のようなページにも年齢ついて返答がのっています。
ウーフもワークアウェイも、ひとりで参加をするためには18歳になっていることが条件です。
18歳以下の子供はウーフにもワークアウェイにも参加できないのかというと、そうではありません。
『保護者』と一緒なら、ウーフにもワークアウェイにも参加できます。
すべてのホスト先が、子供と一緒の参加を受け入れているわけではありません。
ホストリストで確認をしたり、はっきり書かれていないときには、直接、メールを送って聞いてみましょう。
登録するとホストと直接メールでやり取りできますが、子供と一緒に参加できるホストがあるのかは、登録前に知りたいですよね。登録する前から見られるホストリストに、子供と参加できるかが書かれていることもあります。
ワークアウェイの場合には18歳以下の子供はひとりでは登録資格がないので、登録料はかかりません。
ウーフの場合には、国によって違いがあります。子供も登録料がかかる国もあるようです。
登録前でも、わからないことがあれば事務局に問い合わせができるようになっているので、あいまいなことがあれば教えてもらってすっきりさせましょう。
例外あり!WWOOFなら18歳以下でも参加できる国
ウーフの場合には、国によって独自の運営をしてるので、規約に違いがあります。ほとんどの国では、ひとりでの参加は18歳以上と決められています。
探してみると18歳以下でも、ボランティアとしてひとりで滞在できる国があります。
ここで気をつけてほしいのは、18歳以下でも、いち『ボランティア』として参加ができるということです。
子供として参加をするのではなく、あくまでも、心構えは、いちボランティアです。
WWOOF Germany は、ひとりで参加できる年齢が書かれていません。
ただ、18歳以下の場合には、「保護者」の承諾が書かれた手紙が必要とあります。
WWOOF UK では、ウーファになれる最低年齢は16歳です。
16歳に達していれば、他のウーファー同様に、一人前のボランティアとして、ウーフに参加することができます。
ウーフは国ごとに独立した事務局を持つ団体であると書きました。
個別の規約があり独立した運営をしていても、共通事項になる『Federation of WWOOF Organisations』があります。
このサイトでは、ドイツとUKの他にも、ポルトガル、アイルランド、イタリアが、18歳以下の参加も認めていると書いてあります。個別のWWOOF Potugal、 WWOOF Irelandと WWOOF Italyのサイトを開いてみました。
ポルトガルとアイルランドははっきりと18歳以上と書かれていて、イタリアは、最低年齢が書かれているところが見つかりませんでした。
たぶん、以前は18歳以下でもひとりで参加ができたけれど、現在は18歳以上と変更したのかもしれません。
年齢は関係なく、大切なこと
サイトを覗いてみると、よく目にする言葉が、『相互理解』です。
文化や生活スタイルが違っても、それぞれが、価値がありすばらしい存在であることに違いはありません。
あなたの存在がかけがえのないものであると同じに、他の国に暮らすどの人も、かけがえのない存在です。
ボランティア側だけに呼びかけているのではなく、ウーフやワークアウェイのホストになるための心構えとして、相互理解以外にも提案していることがいくつもあります。
ボランティア側だけに決まりや理想があるわけではありませんので、安心してください。
行きたい国などが決まったら、辞書を片手に、サイトを読んでみてください。
英語の勉強にもなりますし、ウーフやワークアウェイの雰囲気がつかめると思います。
掲載されている写真を見るのも楽しいです。
色んな人がいて、色んな国があることが、サイトを通して伝わってくるのではないでしょうか。
年齢の上限
ウーフやワークアウェイに参加をできるのは「何歳まで?」と、気になる人もいるでしょう。
年齢の上限はありません。
これは、あえて明確に書いていないのではなく、何歳でも18歳以上なら参加できます。ワーキングホリデーのように、31歳の誕生日までに登録をすませる必要はありません。
もう何年も前に、浅草にある花やしきに家族で行きました。ジェットコースターに乗れる年齢は『65歳以下』と書かれていました。
ウーフやワークアウェイには、ワーホリやジェットコースターのような年齢の上限はありません。「行ってみたい」という気持ちがあれば、年令を問わずに参加できます。
まとめ
特に先進国と言われる現代で暮らす私達には、便利で快適な生活が当たり前です。その生活を維持して、そこでの暮らしを楽しむためには『お金』のやり取りや存在を否定することはなかなかできません。
すでに便利な生活にも関わらず、より高い効率ばかりが求められ、ついつい「短時間でどれだけできたか」「どれだけの収入になるのか」など、本来の人との幸せとは全く違った次元の思考ばかりするようになってしまいます。
ウーフもワークアウェイも、インターネットという現代の道具の利便性を大いに活用しながら、見失いがちな、人としての本来の幸せを実感できるきっかけ作りを提供しています。
『お金』というものを介在しないことで、私達ボランティアにとっても受け入れ側のホストにとっても、『純真』に人とのかかわりに向き合うことができます。
ウーフを利用する場合でもワークアウェイに参加する場合でも、それぞれの持つメリット以上に、人としての大切なこと、人としてあなたが幸せだと感じることを思い出せるきっかけになるのではと思っています。
追記~WWOOFとWorkawayの違い~「食費」の支払い
ウーフもワークアウェイもお金のやり取りはないと書きましたが、時には、例外があります。
すべてのサイトやホストリストを隅々まで見ることはできないので、あくまで今の段階での印象です。ワークアウェイに参加をしているホストの中には『食費』という形で、ひとり一日3~7usドル払うホスト先があります。
ホストリストの中で一日いくら払うのかがきちんと書かれているので、申し込みをする前に確認することができます。
また、ワークアウェイに参加している33,000以上あるホストの中から、事前にお金を支払うホストを除いて検索する方法もあります。
国や地域によっては、ボランティアへの食費が大きな出費となることがあります。ケースバイケースになると思いますが、ワークアウェイの事務局でも食費の発生を容認しています。
ウーフでは、今のところそういうホスト先をみたことがありません。
というのは、ワークアウェイの方が登録以前にホストの情報量がたくさん見れることがひとつの理由です。
あとは、ウーフの事務局自体が食費であってもお金のやり取りに対して、極力避けたいと思っている感じが伝わってきます。
「WWOOFホストから食費の請求をされたときには、事務局に連絡をください」とも書かれています。
状況によっては、ボランティアの食費が負担になるのはわかります。
ボランティアとして滞在をした時に、現地の人が普段食べないものや調味料などを使いたくなるときがあるでしょう。そんなときには自分で買うなどして、ホストの負担を減らすことも選択してください。
場合によっては材料を購入して、お得意の手料理を作ってみると、より楽しい時間がすごせるかもしれませんね。
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