重油タンカーの事故による被害や、地球上に広がるマイクロプラスチック(もっともっと小さいナノプラスチックも)の影響や被害などのニュースを見ると、「ああ~もうこれ以上、プラスチックを使う生活とは縁を切る!」と大きな決意をする人もいるかもしれません。
はじめから100%を求めると途中でストレスに感じられてしまいますので、楽しみながらできることを見つけていきましょう。世界人口の1割の人が今ある暮らしを見直し、できることを実行に移していけば、地球に与える負荷が小さいくなり大きな変化につながると思います。
10人にひとりです。あたなもその1人になりませんか?
プラスチックを減らすために誰にでもできる楽しい選択肢を紹介しますので、どれかひとつでも試してみてください。
目次
楽しみながらプラスチック使用量を減らしていこう
プラスチックにはプラスチックのメリットがたくさんあります。その恩恵をさまざまなところで受け、生まれたときからすでにプラスチックのある日常は始まっています。そして、天然素材には、天然素材の良さがあります。
環境面を考慮することを選択肢に入れる暮らしを始めましょう。自然に負荷がかからない、微生物が分解できることを基本に、暮らしを見つめ直してみましょう。
スマートフォンのケースを木製に
私はいまだにiphoneもスマートホンも持っていないのでこのケースは必要ないのですが、親が持っていないのに子供がすでに活用しているので、夕食の時にでも紹介したいと思います。
さまざまなメーカーが、木製のiphoneケースを販売しています。使いやすさを重視したもの、デザイン性に優れたもの、アイディアに富んだ木製のケースの中から、お気に入りを見つけるのはとても楽しそうです。
ヨーロッパにあるメーカーが目立ちますが、日本でも職人歴40年を超えるベテランのいる『松葉製作所』で、iphoneカバーが作られています。値段は、やっぱりそれなりにするのですが、ぬくもりが伝わってくる仕上がりになっています。
同じアジアでも、インドネシアにある『ETEAQ』では、ひとつひとつのカバーに番号が書かれています。カバーを購入すると植林活動に寄付をすることになり、番号から植林される位置がわかります。そして、カバーはリサイクル素材を使用。
形が統一されれば、カバーを使い続けることができる
子供が携帯を買った時に、カバーとフィルムも一緒に買うことになりました。お店の中には、ものすごい種類のカバーとフィルムが売っているのですが、その携帯に合うカバーとフィルムが売っていませんでした。
お店の人が袋から出して合わせてくれるのですが、カメラやスイッチの位置が微妙にずれたりして使えそうで使えないのです。
メーカー内で統一することはもちろんですが、メーカー同士も協力しあってカバーもフィルムも共同で使える形にすることはできないのでしょうか?
もちろん、デザイン性や機能面が進歩していくことは、わかりますし、そうでなくては新しい商品が売れません。国や社名が違っても、同じ地球で暮らしている『よしみ』で、共通の認識で物づくりをする部分があってもいいのではないでしょうか。
そうすれば、新しい機種を購入しても別のメーカーの携帯に変えても、カバーやフィルムは使い続けることができるなんて素敵なことだと思います。
天然素材の服
洋服を買う時に服の中についている表示を見て、どんな素材から作られているのかを確認する人はあまりいないかもしれません。それでも、どんなに「いいなぁ」と思った服でも、実際に触ってみて余りにもゴワゴワしていたり、チクチクする感じがするものはやめておこうと思うのではないでしょうか。
石油から作られるポリエステルやレーヨン、アクリルは、シワになりにくかったり、伸縮性が高く値段もお手頃なのです。その反面、敏感肌の人にはかゆみの原因になることもあります。
柔らかい綿や麻の心地よさが当たり前になってしまうと、化繊が入っている服はどうも着心地に違和感を感じます。そして、そして綿や絹の服には、ものすごく体にいい効果があるんです。すでに知っている人もいると思いますが、このことはまた別のページで紹介します。
洗濯の度にマイクロプラスチックが海に流れている?
化繊の服を洗濯機で洗うと汚れと一緒に細い繊維がとれ、排水口から海へ流れていきます。
フリースを1回洗濯機にかけるだけで、1着のフリースから1900本ものマイクロプラスチックが流れ出します。さまざまな研究所で実験が行われ、水だけで洗濯をするよりは洗剤を入れたほうがマイクロプラスチックの量が増え、ドラム式の洗濯機を使ったほうが明らかにマイクロプラスチックの量が少なくなったそうです。
アウトドア用品を取り扱っている『パタゴニア』では環境問題を配慮しながら、製品づくりに向き合っています。現在、このマイクロプラスチックに関することでは現状を把握しながら、改善策を見つけています。
すでに持っているフリースや化繊素材の洗濯の仕方などが書かれているので、ぜひ、参考にしてください。
(パタゴニアの公式サイト)
現在、日本から購入することはできないのですが、マイクロプラスチックをキャッチする洗濯機ネットも販売されています。
環境を守るためにできることは、必ずあるのでできることから始めていきましょう。
綿100%の玄関マット
家の中のインテリアにこだわりだすと、あれもこれもと気になるアイテムが目につくでしょう。
そんな時にも予算と相談しながら、自然素材の物を検討してみてください。
例えば、お店で売られている玄関マットの定番は、やっぱりアクリルやナイロン製です。天然素材にこだわって探してみると、予算内でも、綿などの自然素材で作られているものが見つかります。
お手入れは化繊と比べてしまうとどうしてもカビやすかったりなどしますが、使い心地は、だんぜん天然素材のほうが温かみがあります。疲れて家に帰ってきた時、思わず玄関先で眠りたくなってしまうかもしれません。仲の良い友達が遊びに来た時にも、天然素材の玄関マットが迎え入れてくれます。
デニム素材やココナッツで作られた玄関マットもあります。
安眠できる天然い草のゴザ(いえいえ『ラグ』ですね)
和室よりも洋室の需要が高いですので、自宅に畳の部屋がある人は減ってきています。それでも、暑い夏に昼寝をしたりくつろいだりするときに『ゴザ』が懐かしくなる人は多いのではないでしょうか。
すでに、国内のい草の生産量が激減しています。天然素材のゴザを見つけるのは簡単ではありませんが、プラスチック製品にはない安心感があります。
ひとり暮らしでゴザを広げるスペースがない場合でも、ベッドの上に敷ける製品もありますので、寝苦しい夏にもおすすめです。
ついついゴザと言ってしまいますが、最近では『ラグ』と呼ばれているようですね。確かにゴザ聞くよりもおしゃれなイメージです。和室に合うデザインのものから、洋室にもぴったりなラグもありますので、お気に入りの一枚を見つけてください。
プラスチック製品と違って、消臭や空気清浄効果もあります。ただし、しまうときの注意点(陰干しや新聞紙と一緒にくるむなど)がありますので、ひと工夫してから保管をすれば次の年も快適に使えます。
天然素材の下駄や草履で足元から健康に
わが家の子供達も小さいときに草履を履いていたことがあります。どこへ出かけるときにも草履でしたので、とんだりはねたりしても草履で快適そうでした。
保育園や幼稚園で子供の体のことを考えて、草履を積極的に紹介しているところあります。(中には、裸足ですごす保育園もありますね)起きているときは動き回ることの多い子どもたちが、履く靴はしっかり選んであげることをおすすめします。
うちはおむつから肌着、保育園で使う布団、洋服などはほとんど友達からのお古で間に合っていましたが、靴だけは足と体のことを考えたものを選んで買っていました。
そのおかげか、どの子の足の指もこれでもかというくらい開いています。とても立派な足に成長しています。
天然素材の草履なら環境にも優しく、子供の体や精神面も育ててくれます。
ステンレスや木製のお弁当箱
すでにプラスチックのお気に入りのお弁当箱があるのなら、そのお弁当箱を大切に使うのがいいと思います。ただし、耐熱温度が低かったり記載されていないときには、熱いものを入れるときに気をつけましょう。
また、油ものを入れるとプラスチックが溶け出すこともありますので、どんなプラスチックなのかも要チェックです。
お弁当箱が壊れてしまったり今あるお弁当箱が小さいから、大きめのお弁当箱を探している人は、ぜひプラスチックではなくステンレスや竹、木製のお弁当箱も手にとって見てください。
ステンレス製のお弁当箱は、種類もたくさんあります。2段になっているものもあるので、たっぷり食べたい人、家族で出かける時のお弁当箱にもぴったりです。長持ちするので、お気に入りのお弁当箱を見つけましょう。
パッキンがついてるものもありますので、水分がもれてしまう心配もありません。
ステンレスも使い勝手がいいので魅力的ですが、木の香がする曲げわっぱのお弁当箱は他の素材にはない魅力があります。見た目がいいのでお弁当自体がとても美味しく見え、適度に湿度を調節してくれるので、実際にとっても美味しくお弁当が食べられます。
ただ、天然素材なので洗剤はNG。長時間つけっぱなしにすることも厳禁です。しっかりと乾燥させることも大切ですが、干しすぎるとひび割れの原因にもなります。私は、この曲げわっぱを毎日のように使っていたら、乾燥する合間がなかったためにカビが生えてしまいました。
ストローベイルハウス
お弁当箱からいきなり大きな話になってしまいますが、自然素材のお家を紹介します。環境に負荷の少ない暮らしを望んでいる人だけではなく、予算を抑えた快適な暮らしをしたいと思っている人にも、ぜひ知ってほしいと思っています。
ストローベイルハウスは、1850年頃にアメリカで生まれたお家です。ストロー(ワラ)を原料に使っているので、自然に負荷のかからない素材で家が作れます。しかも夏は涼しくって、冬は温かいんです。
見た目がとても可愛らしく、心が和らぐお家です。注目を集めだしたのはここ数十年のことですが、世界中にストローベイル協会があり個性豊かなストローベイルハウスが誕生しています。
日本でも女性一人でお家を建てた人がいるくらいで、何十年ものローンを組んでマイホームを手に入れる価値観とは全く別次元の世界があります。
私も、いつか機会を作ってこのストローベイルハウスのワークショップに参加したいと思っています。その時の様子を紹介しますね。
バンブーやガラス製のマイストロー
ファストフードやカフェで飲み物を頼むと、当然ストローが一緒についてきます。このストロー、大抵の場合は使い捨て。しかもほんの2,30分の間使われて、ゴミになってしまうんです。
アメリカで1日に使われ捨てられるストローは、約5億本。これ以上のストローが世界中で、毎日毎日何十年にも渡り使われては捨てられてきました。そして、そのストローを使った人の命よりも長く、流れ着いた海の中でストローは残り続けます。
2018年7月1日より、シアトルでは使い捨てストローを全面的に禁止する法案が通りました。マリナーズのスタジアムや美術館ではひと足先に、プラスチックのストローを廃止。冷たい飲み物を頼んでも、ストローはついてきません。
同じようにプラスチックのナイフもフォークも姿を消します。
プラスチック製のストローの代わりに、竹や紙のストローを使うお店もあります。中には海藻から作られた、食べられるストローなるものもの開発されています。
容器のついたマイストローも販売されています。冷たい飲み物をよく注文する人は、ぜひ、マイストローを持ち歩いて「ストロー入りません」とお店の人に伝えてください。あなたの行動が別のひとりの人に影響を与え、プラスチックストローのない世界が実現していきます。
布ナプキン
布ナプキンを使ったことのない人はかなり抵抗があるかと思いますが、逆に布ナプキンを愛用している人は市販のいわゆる『石油ナプキン』は極力使いたくないと思っているのではないでしょうか。
紙ナプキン(紙は使われていない…)は、環境に付加を与えるだけではなく、女性の体にかなり負担をかけています。私の母親世代のナプキンはものすごく分厚く、「たぶん綿も使われていたのでは?」と思うのですが、最近の使い捨てナプキンは薄いのに長時間もれないことが当然です。
薄いのにもれない。
ということは何か仕掛けがあります。そんな製品を作るためには、さまざまな薬品が使われています。
高分子ポリマー、マイクロプラスチックの原因になる物質が『紙ナプキン』に入っています。
そんなナプキンをひと月のうちの1週間ほど肌に密着させておくことは、おすすめできません。もちろん、急に丸ごと布ナプキンにすることは、ハードルが高いでしょうし、量が多くて布ナプキンンでは心配と思う日もあるかと思います。
・休日で家にずっといるときだけ
・もう5日めなので量もそんなにないときだけ
初めは限定使用でも構いませんので、布ナプキンを活用してみてください。布ナプキンの良さも、まだまた伝えたいことがありますので別の機会に紹介します。
(着物が普段着だった頃は、布ナプキンも使わなかったんですよ~)
おいしい水が作れる水筒
のどが渇いた時にペットボトルのお水や飲料水を買うのではなく、お気に入りに水筒を持ち歩けばお財布にも環境にもとっても優しい暮らしが始まります。そんなこと言われても、ペットボトルはちゃんとリサイクルに出しているんだから、すでにエコでしょうと聞こえてきます。
確かにそういうこともあるのですが、いくらリサイクルをするとは言ってもリサイクルをするためにエネルギーは必要です。余分なエネルギーを使わないためにも、お気に入りの水筒を持ち歩いてみませんか。
水筒は色々なメーカーからたくさんの種類が出ています。使いやすさを考えればプラスチック製品になってしまいますが、ペットボトルの飲み物を毎日買うことを考えたらはるかに経済的ですし環境への負荷を小さくできます。
最近ではフィルター付きの水筒もいろいろ出ていますし、サイズや重さなどもしっかり選べます。どうやら、コーラーを入れると透明になるほど強力なフィルターの付いている水筒も販売中です。
まとめ
シアトルがプラスチックのストローやスプーンの提供を禁止する法案を紹介しましたが、世界中では、他にもさまざまな取り組みが実際に行われています。
オランダのスーパーがすべての商品を完全にプラスチックフリーにしたニュースは、多くの人がびっくりしたのではないでしょうか。700種類ある品物全てに、プラスチックが使われていません。今後、この『Ekoplaza』は、74店舗ある全てのお店をプラスチックフリーにする予定でいます。
また、隣の国台湾では2019年までに、大手のレストランでのプラスチックストローの使用を禁止します。2030年までには全てのプラスチックストロー、スプーンなどを全面禁止にする予定です。
企業が独自に改革を始めるところもあれば、国が率先して環境面に対して、思い切った政策を取るところもあります。そして、規制がなくても、いつでも始められるのが自然にやさしい暮らしです。
10人にひとりの人が今の地球環境に気がつき実行に移していくことが、大きな変化につながっていきます。1日だけのイベントにしないためにも、楽しみながら続けられることを選択していきましょう。
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