塩の種類と歴史を紹介!私たちの食事と健康に欠かせない大切な調味料

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お醤油や塩、油などの調味料の中身を選んで購入すると、同じようにお料理していても美味しさにはっきりと違いが現れます。お料理する時間があまり取れない人ほど、意識してほしいのが、基本調味料です。

そして、基本調味料の中でも最も大切なものは、やっぱりお塩ではないでしょうか?

 

お塩はお塩で、どれも同じだと思っている人もいるでしょう。じつは全く違うお塩が同じ棚でに並んでいても、どれも中身は同じで違うのは値段だけと思われるかもしれません。ぜひ、価格やキャッチコピーなどではなく、何が原料になりどんなものが含まれているのか、ぜひ手にとって確認してみてください。

 

ここではお塩の種類やお塩にまつわる歴史などを一緒に紹介します。

 

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海の汚染が気になり常用している岩塩

 

私は以前は、自然海塩を天日で干した塩を使っていました。『海の精』も使ったこともありますが、やっぱり値段も高いです。何種類かの自然塩を揃えておいて、たくさん使う時には、価格の低いもの、お塩が味の決め手になる時にはとっておきの塩を選んで使っていました。

 

それが今では、ヒマラヤでとれた岩塩をメインに使っています。さまざまな原因から海の汚染が気になっていたところに、マイクロプラスチックの話題が入ってきました。そのためここ数年は、何をするにもピンク色の岩塩で味付けをしています。

 

ただ、調べていくうちに、「にがりの必要性や岩塩にはミネラルが含まれていない?」などの気になる記事に出会い、これはもう少し別のページで掘り下げてみたいと思っています。

 

塩は代替えの効かない調味料です。砂糖はなくてもお料理できますが、塩がないと始まりません。

 

世界で使われている作り方や原料の違う、さまざまなお塩

 

どんな工程で作られるお塩でも、突き詰めれば海の水が原材料になっています。生命の母なる海ですね。

 

食塩(精製塩)は海水からナトリウムとカリウムを取り出し、濃縮して煮詰めたもので99%塩化ナトリウムでできています。自然塩は、海水を天日で乾燥させるか、釜を使って水分を蒸発させて作ります。海外から輸入した塩に、ミネラルなどを添加して作られたものが、再生加工塩です。

 

ぐるっと海に囲まれている日本では、お塩と言えば、海水から作るものと多くの人が想像するのではないでしょうか。ところが世界では海水から作られるお塩よりも、はるか昔に海だったところが隆起しお塩の山となっている所から、お塩を取り出した『岩塩』の方が、はるかに生産量が多く広い地域で使われています。

 

そして、私達日本人には、岩塩よりなじみ薄いお塩があります。

 

それは湖から取れる「湖塩」です。塩分濃度が濃いために、何もしないでも身体が浮く湖の話を聞いたことがあるのではないでしょうか。ヨルダンとイスラエルの国境にある死海は、通常の約10倍、約30%のお塩が含まれているための、ただの水よりも比重が重く密度も詰まっているので浮き輪がなくても身体が浮きます。

 

自然塩への揺るぎない思いが支えた、自然塩づくり

 

日本でもお料理を美味しくするだけではなく、体をきちんと機能させるために欠かせない、塩を海水から取り出すための方法が盛んに行われていました。現在に至るまでの、塩の歴史を簡単に紹介します。

 

食生活が変わり、大量の塩が必要に

 

縄文時代に暮らしていた人は、塩を調味料から取る必要はありませんでした。それは、動物のお肉だけではなく、内蔵や筋などを含めた丸ごとそのままを食べていたので、自然と塩分が補給できていました。

 

私たちの体の中には約85gの塩があり、そのうちの約半分が骨の中に蓄積されています。狩りでしとめた動物を丸ごと食べることで一物全体食、必要な塩分も補給できていました。

 

狩猟生活をしていた縄文時代から、稲作文化が始まる弥生時代に移る頃から、海水から塩を作る知恵や技術が生まれました。ヨーロッパではすでに紀元前1000年ごろから、岩塩を採掘することが暮らしの中に根付いていたようです。

 

穀物をたくさん食べるようになると、健康を維持するために、自然と塩の需要が高まり、日本各地で海水から塩が作られていました。ただ、1Lの海水から、30gのお塩しか取れないために、雨の多い高温多湿の日本では、塩を作ると言う作業は簡単ではありませんでした。

 

明治に入り、日露戦争の財源を得るために、塩を作るのも売るのも国だけができるようになる、『専売制』が始まります。大蔵省の管轄下に置かれたのが、塩とタバコでした。

 

ずいぶんと前に渋谷を歩いていた時に『塩とタバコの博物館』なるものがあり、どうして塩とタバコの組み合わせ?と不思議に思ったことが、今わかりました。

 

健康と幸せを守るための『自然塩運動』

 

日本の中で長い間根付いてきた海水からお塩を作る『揚浜式塩田』かなどら発展した『流下式塩田』などの自然塩を作る方法が、1971年に可決された『塩業近代化臨時措置法』によって全面的に禁止されます。

 

効率の低い海水から塩を作る方法ではなく、全く新しいイオン交換膜法という効率の高い方法だけが、塩を作る方法として法律で定められました。電気を使い海の水から、塩化ナトリウムだけを取り出すことができます。

 

海水は私たちの血液や羊水の成分ととても良く似ています。体に必要な微量ミネラルが含まれていた塩から、工業用には適している塩化ナトリウムが99%の塩を食用に使うことは、多くの人の健康を損なうことになると声が上がります。自然塩運動が西本友康さんを中心に起こり、5万人の署名を集めました。

 

1973年、この運動が認められ国と専売公社との間に「特殊塩」という特別措置がもうけられました。このときに自然塩の製造許可が与えられたことが、現在の私たちの暮らしや健康を支えているのではないでしょうか。

 

そして、1992年に90年以上続いた、塩の専売法が廃止されます。2002年からは、製造、販売、輸入などが自由にできるようになりました。

いわゆる『食塩』とはどんな塩?

 

にがりやたくさんのミネラルの入ったお塩が作れた流下式塩田が行われていた時に、効率が重視されて取り入れられた方法がイオン交換膜製塩法です。

 

日本で作られているお塩の約9割が、このイオン交換膜製塩法で製造されている『食塩』です。電気分解を利用して、不純物を取り除いたお塩を作ることができます。一説には99%ではなく、99.9%が塩化ナトリウムのお塩です。にがりもミネラルも含まれていません。

 

自然塩に慣れた人が、この食塩(精製塩)を口にすると、その塩辛さが口の中に刺さる感じがするほどです。

 

ただ、スーパーでも棚の大部分を占め昔から、売られているお塩なのです。そのため、多くの人が極端に言ってしまうと、塩辛いだけのお塩をそれが本来の塩と思い購入して、毎日の食卓に利用しています。

 

もちろん味の好みはそれぞれなので、精製塩が好きで、これでないとお料理が美味しくならないと感じる人もいるかと思います。それはそれで、構わないと思います。ただ、塩本来の栄養素が残っている自然塩ならば、摂取することのできるミネラルが精製塩からは全く取れないことを知っておいてください。

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