海外旅行に出かけるときに大切なアイテムが、『パスポート』と『ビザ』です。
パスポートなしでは海外旅行に行かれないことは多くの人が知っていますが、『ビザ』になると必要性を低く感じがちです。それは、日本のパスポートを持っているとビザなし(フリービザ)で入国できる国が数多くあるために、ビザの大切さを感じることがあまりないからではないでしょうか。
今まで出かけた国々がビザなしで入国できたからと言って、次に行く国も同じようにビザが不要とは限りません。また、ビザに関する決まり事は国によって大きく違うだけではなく、急に変更されることもあります。
楽しい旅をもっと楽しくすごすために、ビザ情報を早めにチェックしておきましょう。
本日の記事では、到着時に空港で『到着ビザ(Visa on Arrival/VOA)』が申請できる国を紹介します。空港でビザの取得ができますので大使館での手続きが省略できますが、それぞれの国によって、条件などが異なります。
しっかり確認をしてから、ワクワクと一緒に飛びたちましょう。
目次
パスポートとビザは違う?4種類に分けられる入国方法
到着ビザは『Visa on arrival』を訳したもので、到着した空港でビザ申請ができることを意味します。出発前にビザの申請や取得をする必要はありませんので、比較的、気軽に出かけられる国々です。
それでも、申請方法や滞在できる日数などは、それぞれの国によって違います。滞在や旅行を計画している国のビザ情報の確認は、楽しい時間をすごすために重要事項です。
行きたい国はフリービザ、到着ビザ、電子渡航認証、観光ビザ?
渡航許可に当たるビザなどの申請方法は、予定している国や滞在期間によって異なります。ビザなどの種類や申請方法を大きく分けると4種類あります。どんなタイプの渡航許可があるのか、詳しく見ていきましょう。
はじめにビザに馴染みがない人に向けて、パスポートとビザの違いを紹介します。
「ビザとは?」パスポートとビザの違い
日本に国籍がある場合にはパスポートの種類は2種類だけ、有効期限が5年の黒いパスポートと10年使える赤いパスポートです。ところが『ビザ』は、滞在予定国や渡航目的によって違いがあるために、たくさんの種類があります。
オーストラリアに観光で行く場合と、留学する場合のビザは全く別のものです。
なんだか、電車や飛行機のチケットのように見えますが、パスポートを日本語にすると『旅券』です。私たちの身分を海外でも証明します。
ビザは『査証(さしょう)』になり、『渡航許可書』です。そのため、日本の政府や機関が発行するものではありません。海外旅行を予定している国に申請をして、ビザという形で入国許可をもらいます。
日本のパスポートは最強と言われますが、ビザがなくては入国できない国がまだまだありますし、留学や就職で行くケースはほとんどの場合にビザが必須です。
ややこしくさせてしまうかもしれませんが、マレーシア滞在中にインドネシアのビザを申請するときには、『在マレーシア・インドネシア大使館(領事部)』へ行きます。『在マレーシア・日本大使館(領事部)』へ行っても、バリ島やジャカルタ、ジョグジャへの観光ビザは取得できません。(最長2カ月の観光ビザは、インドネシア到着後に空港でも取得可能です。)
『在マレーシア・日本大使館』は、日本への旅行や留学などを計画している外国人に対してビザを発給します。また、日本人へのパスポートの更新や在外選挙人登録などの手続きやさまざまなサポートをしています。
ビザとパスポートどっちを先に申請?
旅費や航空券の準備を進めても、パスポートとビザがなければ海外に入国どころか日本を出られません。
パスポートは市町村の役場やパスポートセンターで取得できます。申請してから受け取りまでに必要な期間は、だいたい1~2週間です。ビザの場合には、取得までにかかる日数は目的地や内容によっては2カ月以上かかることがあります。
ビザ取得までにそんなに時間がかかるのなら、「先にビザを申請しておこう」と思われるかもしれません。
ところが身分を証明するパスポートがないとビザの発行はしてもらえません。そして、『ビザ』はパスポートのような個別のものではなく、パスポート上に押されるはんこやつけられるステッカーがビザにあたります。
ビザが必要な国へ出かける計画をしている人は、早めにパスポートを申請して、ビザの取得準備に取り掛かりましょう。
2024年度からパスポートの申請がインターネットからできるようになると、外務省が発表したようですね。支払いもカードでできて、送付は宅配便を検討しているみたいです。それでも、一度はカウンターに来て本人確認をすることになりそうです。そして、来年からパスポートのデザインが新しくなると。今まであまり意識していませんでしたが、今度新しいパスポートをもらったときを楽しみにします。
4種類ある外国への入国方法
入国手続きを進める方法は、それぞれの国によって違います。私たち申請者が自由に選ぶのではなく、その国が定めている取り決めに従って申請を進めます。
・フリービザが認められている国へ短期の旅行などで入国するときには、ビザなしで入国できます。さまざまな理由から、『渡航許可証』の取得が免除されます。
申請手続きは必要ありませんが、パスポートの残存有効期限や出国チケット、十分な資金を持っていることなど国によって異なる確認事項があります。
フリービザで行かれる国についての詳しい情報は、別ページで紹介しています。
・到着ビザ(Visa on arrival)/アライバルビザは、ビザの申請と受け取りが到着空港で完結します。大使館での事前手続きが必要がありません。必要書類と申請料を用意して飛行機に乗りましょう。
・インターネットから電子渡航認証を申請する国もあります。
直接大使館の窓口へ行く必要はなく、インターネットから渡航に必要な審査を依頼します。この申請手段を活用している国は、人気の観光地ばかりです。今後、ヨーロッパでも導入予定です。
オーストラリアがETA(イータ)、カナダがeTA、米国がEASTです。オーストラリアに行くには、インターネットから観光ビザETAを取得します。カナダとアメリカはビザではなく、ビザ免除プログラムに参加をするためにeTAやESTAをインターネットで手続きをします。
ちょっとややこしくなりますから、電子渡航認証については別のページで紹介しますね。
・直接大使館の窓口で申請手続きをする
到着ビザや電子渡航認証では入れない国が36カ国あります。もちろんフリービザでもありません。
ロシアやカメルーンに海外旅行へ行くときには、短期の滞在でも出国前にビザの取得が必要です。
詳しい手続方法は、別のページを覗いてみてください。
日本のパスポートで到着ビザが取得できる国リスト
フリービザで入国できる幸運ほどではありませんが、到着空港で渡航許可証(アライバルビザ)を発行してもらえることは、複雑な手続きが減り気軽に出発できます。
アライバルビザで入国できる国を詳しく紹介します。旅の計画を立てている国がどんなビザが必要なのか、早めにチェックしておきましょう。
インドやカンボジアはアライバルビザを取得!滞在日数や料金などを紹介
ビザの取り決めは流動的であるだけではなく、その時の担当管によって微妙に対応が違うこともあります。わかりにくいことがあれば大使館などに問い合わせをして、確認しておきましょう。
アジア
同じアジアで魅惑的な国のひとつはインドでしょう。インドはビザの法令が目まぐるしく変わる国のひとつです。最新情報をチェックして、ピッタリのビザを申請しましょう。
アジア | 滞在可能日数や取得条件、参考サイトなど |
インド | 60日(有効期間内に再入国1回可能) 2,000ルピー(約3,000円) 延長できない パスポート残存期間が6カ月以上 インドを出国するエアチット 申請できる空港は6カ所のみ
駐日インド大使館 外務省公式サイト インド政府公式サイト |
カンボジア | シングルとマルチ(選択肢あり)から選べ、1回の滞在は30日 業務ビザにすると延長可能 プノンペン国際空港とシェムリアップ国際空港のみ (陸路の場合は要確認)シングルのアライバルビザは30USドル シングルの場合は滞在期間プラス6カ月のパスポート残存期間 パスポートサイズの写真(空港でもOK)日本国内で観光や業務ビザ、またはEvisa(カンボジア外務国際協力省のみ発行可)あり |
ネパール | 15日(30USドル) 30日(50USドル) 90日(125USドル) 6カ月以上のパスポート残存期間 トリブバン国際空港や陸路でも可能(トリブバン国際空港以外は証明写真を用意) 外務省公式サイト 出国前に大使館や郵送でのビザ取得もできる 駐日ネパール大使館 |
バングラディシュ | 30日 滞在先の名前、電話番号などを控えておく 外務省公式サイト |
東ティモール | 最新情報を確認してください 30日 ティモールイミグレーション |
モルディブ | 30日 パスポート残存期間が6カ月以上 出国を証明できるもの ホテルなど宿泊施設を予約または十分な資金 |
オセアニア
なかにはアライバルビザの申請が必要だけれど、手数料が無料の国があります。パプアニューギニアもそんな国のひとつです。
オセアニア | 滞在可能日数や取得条件、参考サイトなど |
ソロモン | 45日以内 1回に限り延長可能(90日以内) パスポート残存期間が6カ月以上 外務省公式サイト |
ツバル | 30日 3回までの延長可能(合計4カ月) 出国する航空券 パスポート残存期間が6カ月以上 外務省公式サイト |
トンガ | 31日 延長可能(1回の延長料金は約3,500円。合計180日まで滞在可能) 出国する航空券または乗船券 パスポート残存期間が6カ月以上 |
パプアニューギニア | 60日 申請料は無料 ジャクソン国際空港とトクア国際空港 有料で1回に限り延長可能(30日) 外務省公式サイト |
パラオ | 30日(2回まで延長可能。合計90日) 復路の航空券 6カ月以上のパスポート残存期間 |
マーシャル | 30日(延長可能) 復路のエアチケット 外務省公式サイト |
アフリカ
日本のパスポートでもアフリカが、『フリービザ』で入国できる割合が低いです。そんな中でも、以下の国々はアライバルビザが取得できる貴重な国です。
中近東
イランのビザ事情はちょっと複雑で、入国をしても形として残らない配慮?がされています。こういう配慮?が必要な状況がいつかなくなることを思い描きます。
中近東 | 滞在日数、参考サイトなど |
アゼルバイジャン | ヘイダル・アリエフ国際空港とギャンジャ空港 30日(無料) 15日位以上滞在の場合には移民局で手続き 機械でビザを申請して取得 パスポートの残存有効期限120日以上 在アゼルバイジャン日本国大使館
外務省公式サイト |
イラン | 30日 60ユーロ テヘラン国際空港 タブリーズ国際空港 マシュハド国際空港 シーラーズ国際空港 イスファハン国際空港海外旅行傷害保険に加入 電子ビザのためパスポート上に履歴は残らないらしいです 外務省公式サイト |
クウェート | 30日 3クウェートディナール 6カ月以上のパスポートの残存期間 見開き2ページ以上の空欄事前に電子ビザの取得もできる 在日クウェート大使館
外務省公式サイト |
ヨルダン | 30日(2回延長可能) 空港または国境事務局(すべての場所ではない)入国ルートによってはアライバルビザが取得できないことも ヨルダン観光局公式ホームページ
外務省公式サイト
事前に大使館での取得や郵送も可能 |
バーレーン | 2週間(シングルビザ)5BD(1500円位) 1カ月(マルチエントリー)25BD USドルでの支払いも可能インターネットでの申請、取得も可能 バーアレーン王国大使館公式サイト
外務省公式サイト |
レバノン | アライバルビザを申請するけれど、手数料は無料 60日(延長可能) ベイルート国際空港 パスポートの残存期間が1年以上イスラエルへの入国記録があるとビザがもらえないことも 外務省公式サイト |
アライバルビザとネット申請ではどっちがおすすめ?
パスポートの種類は限られますが、ビザの種類は多種多様です。そして国によって申請方法が異なり、同じようなビザを取得するにもいくつかの方法が存在します。
そして、どの方法が一番楽で安心できる方法なのかも、「行ってみたい」国の状況によって違ってきます。アライバルビザ(到着ビザ/)がものの数分で取得できる国もあれば、時間帯によっては受付カウンターが閉まっていたり、長蛇の列ができていたりするケースもあります。
インターネット申請や大使館に直接足を運ぶと複雑な書類の提出があるけれど、到着空港でアライバルビザを申請すると書類の提出が免除される場合もあります。また、アライバルビザの申請料のほうが安いことも。
それでも、到着後にビザの申請をすることに不安があれば、事前に入国できるビザを用意しておくと、安心して旅に出られます。実際にアライバルビザはあるけれど、大使館やネット申請が推奨されている国もあります。
上のリスト上で紹介している参考サイトは、公式の機関や企業のものばかりです。インターネットで検索をすれば、海外旅行を計画している国をすでに訪れている人たちの体験談もたくさん見つかります。ごく最近行ったばかりの新しい情報も見つけられます。
ビザの情報を収集するときには、大使館などの公の機関と体験者の情報の両方を参考にしていくと、どの方法でビザを取得するのが一番安心できるかがきっとわかると思います。パスポートがなければ海外旅行に行かれないように、ビザがないと入国できない国があります。
旅は「行ってみたい!」と思ったときから、すでに始まっています。現地での食事やショッピング、ホテルの情報同様に、ビザ情報も楽しみながら確認してステキな時間をすごしてください。
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