ファストフードや加工品ばかり食べている人だけではなく、野菜と白米で一見健康的な食生活をしているひとにも気をつけてほしい点があります。それはビタミンやミネラルなどの『微量栄養素』の不足です。
気軽に始められるのが玄米です。週に1回の『玄米食』で慢性的に不足している栄養素が補えます。
菜食中心で手作りのご飯を作っているのに、体調が優れないと感じている人はぜひ読んでみてください。思い当たることがあるかもしれません。
目次
野菜中心の食生活を続けているひとへ
加工品やインスタント類に健康を維持するために大切な微量栄養素が不足しているのは、簡単に想像がつきます。実は野菜中心のおかずと白米を常食している人も、足りない栄養素があることがあります。
昔と比べると、畑や野菜自体の栄養素が減っていることに加え、皮をむいたり、野菜の旬を意識しないで食べることが大きな原因です。ベジタリアンは一見ヘルシーな食生活に感じられますが、結果として、栄養価の低い食事を繰り返してしまうことがあります。
野菜を中心に手作りの食事をしているのに、どうして栄養素が不足してしまうのかをお伝えしていきます。週1回の玄米食で普段の食生活で不足しがちな、栄養素をたくさん取り入れて、免疫力をアップしましょう。
野菜の旬を知っていますか?
日本で暮らす私達には「四季」があります。日本で暮らしていると季節が移り変わることが当然なので、何の不思議にも感じないかもしれません。でも、この「四季」はどこの国でもあるわけではありません。
中には、夏と冬の極端な季節しかないところや、降る雨の量によって「雨季」と「乾季」にだけ分かれているところもあります。
耳まで凍るような寒い冬があり、梅や桜がほころびだす春が来て、入道雲の広がる暑い夏がやってきます。そろそろこの暑さに疲れた頃に陽が短くなり、太陽が傾きだし木の葉が色づく秋がやってきます。木の実が実り、寒い冬にも、食べ物に困らないように、お米などの穀物が実ります。
科学の技術と一緒に、農業技術も進み、野菜の種も改良に改良されているので、栽培や収穫できる期間がとても長くなりました。そのため、本来のトマトの旬はいつなのか、かぼちゃはいつ熟すのかが、全くわからなくなりました。
外国から、野菜もどんどん輸入されるので、余計にいつがその野菜の旬なのを、見極めるこを難しくしています。私たち食べる側からの「一年中赤いトマトが食べたい」「子供のカルシウム不足のために夏場もほうれん草がほしい」という旬を意識しない要望もあると思います。
季節がずれた野菜のおいしさと栄養価
1年中スーパーや八百屋さんで見かけるトマトやきゅうりナスは、いつが旬か知っていますか?
そう、トマトなどの果菜類は夏が旬です。
トマトは元々アンデス地方で暮らしていた野菜で、今では世界中で栽培されている人気野菜です。比較的暑い気候と、乾いた土地を好みますが、今は、品種がどんどん改良されているので、広範囲でより育てやすい野菜へと作り変えられています。
本来のトマトは、寒い冬の間は種は眠っているので、芽も出しませんし実もつけません。それが今では、ビニールハウスを使い加温をすることで、一年を通して真っ赤なトマトが栽培され日本中に運ばれています。
夏の暑い日差しを浴びて育ったトマトと寒い冬にハウスの中で加温されて作られたトマトとでは、2つの点で大きく違いが生まれます。
ひとつ目は、私たち人の都合に合わせて、無理やり栽培しているのがひとつ目の理由です。石油や電力を使い加温をしているのでトマトは夏が近づいていると勘違いをして、芽を出して、葉を広げます。もちろん、ビニールハウスの中にも、冬のお陽さまの光は届きますが、それは、やっぱり真夏の太陽とは違います。
無理やり育てた野菜には、旬にあわせて育てた野菜と同じような栄養価は期待できません。栄養価が違うということは、美味しさも違います。
もうひとつの理由は、食べる私たちの体です。冬になると厚着をして、体を寒さから守ります。家の中はコタツやストーブ、暖房が効いていて暖かいかもしれませんが、私たちを取り巻く季節は寒い冬です。
どんなに部屋の中か暖かくても冬に暮らす私たちが、本来は真夏に育つトマトを食べてもトマトのおいしさを身体で感じることはできません。
真夏まで待って、びっくりするほどおいしいトマトを食べよう
体も心も喜ぶ『おいしいトマト』が食べたければ、暑い夏が来るまで待つのが一番です。この『心待ちにする』という行為が、より野菜をおいしく感じられる秘訣でもあります。
クーラーの中でばかりすごしているのではなく、時には、夏の暑い日差しを浴びて、体中から汗をかきましょう。(熱中症には注意してください)
私たちの体は、とても精密にできています。暑いところにいれば、自然と汗が身体から流れ、体温を下げるようになっています。
(いい汗をかくには、いい汗をかける状態が必須です!)
東京や大阪などの都市に住んでいると、すぐそばに畑を見つけることは難しいでしょう。
親戚や友達の家が田舎にあるのなら、お休みの日を1日利用して出かけてみましょう。
電車に1~2時間揺られて、畑からもぎたてのトマトを食べに出かけましょう。旬の野菜を食べるために、休日を1日使って出かけていく価値は充分にあると思います。街に暮らしていると、毎日の食べ物がどんな風に育っているのかを、感じるチャンスはほとんどありません。
私たちの命を支えている食べ物がどんな風に実るのかをひとりでも、子供と一緒にでも、大切な1日を使って食べに出かけてください。
クーラーの効いた涼しい車から降りてすぐに、もぎたてのトマトを食べても、その本当のおいしさを感じることはできないでしょう。夏の陽射しを感じて、うっすらと汗をかいたときに、もぎたてのトマトを食べるとそれはそれはご馳走です。
夏に育つトマトには、そこにある夏で暮らす人々に必要な栄養素がたくさん詰まっているのです。真夏が旬の果菜類を食べると、私たちの体を自然に冷やしてくれます。
真夏が旬のトマトは、暑い夏に食べるのが一番おいしい。そして、栄養価も高いのです。
夏の太陽をいっぱいに浴びて育ったトマトを食べると、私達の体に生きるエネルギーが満たされます。寒い冬にビニールハウスで加温されて育てられたトマトは、値段も高く栄養価も高くはありません。そして、私たちの体を冷やす作用があります。
(βカロチンの量を比べると、11月に収穫されたトマトは、7月に収穫されたトマトの半分しかなかったとの報告があります。)
野菜と白米中心の食事の落とし穴?
健康を意識して、なるべく動物性のものを食べない人もいるでしょう。ベジタリアンや玄米菜食などを実践している人も少なくありません。
私もお肉は『ご馳走』として食べるくらいなので、『ほぼベジタリアン』の暮らしをもうずいぶんとしています。肉食過多は健康面でも、環境面でも、あまりおすすめできないのですが、ベジタリアンなのに白米ばかり食べている場合にも、毎日の食生活を見つめなおしてほしいと思っています。
野菜を中心にした手作りの食卓は、きっと化学調味料などの添加物も少なく、自然のおいしさがあふれていると思います。ただ、買っている野菜が季節を意識していなかったり、化成肥料ばかりで作られていると、期待してる栄養素が慢性的に不足してしまうことがあります。
そして、白米です。
白米は炊きやすく食べやすいですし、穀物なので健康にいいと思われがちです。もちろん悪い食べ物ではありませんが、栄養価が高い糠と胚芽の部分をすべて取り除いてしまっているので、白米の常食を100%おすすめすることはできません。
白米食からは考えられない玄米の栄養素を書いたページがありますので、玄米を見直すきっかけにしてください。
玄米と白米は同じお米ですが、炊き方や食べ方に違いがあります。白米と同じように、玄米を炊いたり食べたりしても、その栄養素をしっかり活用することはできません。白米と比較すると、どうしてもひと手間かかります。
そこで、おすすめしたいのは週1回の玄米食です。
週に一度なら玄米をじっくり炊く時間やゆっくりと食卓について、玄米を食べる時間が作れるのではないでしょうか?
私たちの体を維持するために、その日に必要なエネルギーを食べ物から摂取することは大切です。そして、うっかりしがちですが私たちの体を健やかにするために、カロリーと同じくらい微量栄養素たちの存在も欠かすことはできません。
まずは、週1回の玄米食で大切なミネラルやビタミンを補給して、体の機能や免疫力をアップしていきましょう。美肌効果などの、嬉しい『おまけ』も期待できますよぉ。
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