北投温泉は、台北からMRTに乗って約30分のところにあります。片道30分ですから、宿泊先が台北でも十分に温泉で癒されて帰ってこられます。
私は北投温泉に入るために、台湾へ行きます。そしてまた「北投温泉に入って、美味しいものを食べに台湾へ行こう!」と決めています。すでに台湾にいる人やこれから台湾へ行こうとしている人で、『温泉好き』の人や『温泉効果で免疫力をアップ』をしたい人は、ぜひ北投温泉まで足を伸ばしてみてください。
目次
秋田県玉川温泉と同じラジウム石が取れる『北投温泉』
2019年12月に3人の子どもと一緒に台湾の首都、台北に行ってきました。台北へ行くのは今回で2回目。そして、どちらの台湾旅行も一番の目的は『北投温泉』です。いや、美味しい台湾料理を食べることも同じくらい優先事項です。
もともと温泉は大好きです。山歩きもしていたので、山に登った後には地元の温泉で癒やされるという20代をすごしていました。ふふ
温泉はやっぱりいいですよねぇ。桃園国際空港で空港泊をしてから、北投温泉へ向かいました。朝ごはんに台湾のおにぎり?で幸せいっぱいになって、いざ北投温泉です。
『台湾のおにぎり』が気になる人は、ぜひのぞいてみてください。
北投温泉が誕生した歴史
北投温泉が発見されたのは、今から120年以上の1894年。ドイツ人が見つけます。その後すぐ日本による統治が始まり、平田源吾さんが北投温泉に『天狗庵』を完成させます。
天狗庵、那須の温泉を思い出します。あの大きくて立派な天狗、とても懐かしいです。
1945年頃から当初の賑わいがなくなり、衰退の危機が心配されるようになります。それでも1999年から多くの支援が集まり、活気のある温泉街として生まれ変わります。
北投温泉には高級温泉旅館が多く、宿泊費は目を疑ってしまうところもあります。同じように日帰り入浴でも有名旅館で入ろうと思うと、とても子供3人を連れていける料金ではありません。笑
でも、大丈夫です。子供3人と行っても、安心価格で入れる日帰り施設がいくつかあります。私たちが、目指す温泉は公衆浴場『千禧湯』です。
北投石が取れるのは世界で2カ所!北投温泉と秋田県玉川温泉
多分ですが、4年ほど前に北投石のプレートを買いました。12枚セットだったと思います。ところが1枚減り2枚減りと今では、3枚だけが手元に残っています。
北投石は温泉の沈殿物から作られる鉱物で、ラジウムを含みラドンが出てきます。この北投石が誕生するのは北投温泉と玉川温泉だけで、特別天然記念物の指定を受けています。
どこか地底でつながっているのでしょうか。温泉も不思議ですが、石も不思議です。
北投石が取れる玉川温泉は、秋田県にあります。本州の中で一番北にある、十和田八幡平国立公園の中。玉川温泉もこれから紹介します、北投温泉にある『千禧湯』や『瀧乃湯』と同じように酸性度の強い温泉です。
湯治場としての玉川温泉の効果
玉川温泉の歴史はとても古く、1680年に発見されたと言われています。玉川温泉が『湯治場』としての役割を果たすようになったのは、明治時代に入ってからです。
玉川温泉は今でも『湯治場』として日本全国から、たくさんの人が訪れる有名な温泉です。中期から長期滞在する人が多く、さまざまな疾患などを抱えた人が滞在しています。
短期や日帰り入浴も、もちろんできますが注意事項や大切にしてほしいマナーなどがあります。玉川温泉へ行ってみたいと思われる人は、ぜひ公式サイトをのぞいてみてください。
個人差があるかと思いますが、玉川温泉の効果をいくつか上げておきますね。
・リウマチなどの神経系の疾患
・貧血症や白血球減少症
・生体の免疫力、抗菌力の増強など
温泉のタイプはいろいろあり、野外や専用の小屋では岩盤浴ができる場所もあります。
・源泉50%の湯船
・源泉100%の湯船
・打たせ湯
・蒸気湯、箱蒸し
・弱酸性湯などなど
玉川温泉と新玉川温泉
玉川温泉はとても雪が深い地域にありますので、11月下旬から4月中旬くらいまで休館です。1kmほど離れたところにある、新玉川温泉は年間通して営業しています
玉川温泉の日帰り入浴料金を紹介しておきますね。営業時間は8:00~17:00です。
・大人800円
・子供400円
・幼児100円
自炊をしながらのんびり湯治で行ってみたい魅力的な温泉です。
新玉川温泉でも、温泉は玉川温泉と同じ源泉を使っています。2018年にリニューアルされたばかり。湯治をメインにしている玉川温泉とは雰囲気が異なりますが、泉質は同じですし、いろいろなタイプの温泉が用意されています。
詳しい情報は新玉川温泉の公式サイトを参考にしてください。
日帰り入浴の料金は玉川温泉と同じですが、乳児は無料。営業時間は夏季と冬季では異なります。
・夏季/9:00~16:00
・冬季/9:00~13:30
冬季は、マイカーでの乗り入れはできません。本数が限られた路線バスのみですので、帰りのバス時刻など確認してください。
『温泉マーク』入りのマイ水着を持って『千禧湯』へ
2年以上前に初めて台湾に来たときも、子どもと一緒に『千禧湯』へ行きました。このときに水着を持参していたのですが、持っていった水着の半分が『不合格』。温泉に入れない水着でした。
このときに広告の端っこをちぎったような紙に、『生地が違う』と日本語で書かれたものを見せてくれました。
北投温泉『千禧湯』オリジナル水着の紹介
水着着用とは知っていたけれど、まさかデザインではなく素材に指定があるとは思っていませんでした。
せっかく持っていったのに残念ですが、千禧湯の受け付けで販売している水着を買います。水着の下が300台湾ドル~。
デザインは限られていますが、その代わりサイズは豊富にあります。北投温泉『千禧湯』でしか購入できない限定水着です。上半身の水着は『合格』でしたので、持っていった水着を着ました。
実は今回もまた、1着水着を買いました。サイズをどっちにしようか迷っていたら、受付の女性が、水着のウエスト部分を首にクルッと巻きます。これで、水着のサイズが分かるようです。あまりにも大胆な見立ての仕方に思わず、みんなで大笑いをしました。
確かに、ぴったりサイズでした!
2年前に行ったときよりも、スタッフの英語力が上がっています。世界中から北投温泉に入りに来ているのですねぇ。
もしかしたら「見つからなければ、何の水着でも大丈夫なのでは?」と思われるかもしれません。残念ながら、それは100%ありません。外国人の場合は特に、受付で水着チェックがあります。温泉の中でも、笛を首に下げたおじちゃんたちが目を光らせています。千禧湯の決まりに従って、入浴しましょう。
千禧湯では、どんなときに笛が鳴り響くのかを紹介しています。
台湾で暮らす人と一緒に温泉に
今回の台北滞在中に、北投温泉に2回行きました。本当は3回入りたかったのですが、予定が合わずにまた次回の楽しみにします。
温泉ですので年齢が高い人の割合が増えるのが自然ですが、1日目はほぼ台湾人の中に私たち4人でした。前回来たときには、チラチラ外国人もいたり、子供を連れている人もいました。
ところがこのときは見渡す限り、おじいちゃんとおばあちゃんばかりでした。
ちょっと浮いてしまう感が感じられたのですが、一度温泉に入ってしまえば、そんなことすぐに忘れてしまいます。
台湾で暮らす人たちと同じ湯船に入って、幸せ気分倍増です。言葉や文化に違いがあっても、こうして同じ空間を分かち合えることは、それだけで幸せなことです。
世界中の人たちが「争わずに幸せに暮らせる道がある」、そう確信します。
2日後に行ったときには日曜日だったこともあり、家族連れも観光客もそれなりにいました。その上、2日前に来ていることもあり、子どもたちもかなり馴染んでいる感じです。「あの人一昨日もいたかも?」と思える人も。
近所にこんな温泉があったら、私も毎日来たいです。
おすすめは入浴時間開始前に行くこと
北投温泉の千禧湯は、朝の5時半から夜の10時まで営業しています。いつ行っても入れるわけではなく、入浴時間が決まっています。
私たちが初日に行ったのは、10:30~13:00の時間帯でした。しかも温泉に到着したのは、12時を少しすぎていました。すると、1時までには出なくてはならないので、ゆっくり温泉に入れません。
着替えたり荷物をロッカーに入れたりすれば、すぐに時間がたってしまいます。ですので、開場時間前に温泉に行くのが理想的です。
6回に分けられている時間帯の始めに、行ったほうがいい理由がもうひとつあります。
それは温泉の水質?です。
特にぬるめの温泉に入りたい場合には、上の段、中段、下段に湯船が分かれているのですが、温度の高い方から下に流れていきます。もちろんずっと温泉は流れ込んできているので、下の段のお湯はじゅんぐり排水溝へ流れていきますが、やっぱり熱い湯船のほうがきれいです。
2日後に千禧湯へ行ったときには、このときの経験をいかして13:20頃到着。千禧湯の前で待ちました。すると、前に来たときより格段にきれいでした。30分の休憩の間に、湯船のお湯を抜いて入れ替えています。
なるべくきれいな水質でゆっくり温泉を楽しみたい人は、各入浴開始時間よりも前に行くことをおすすめします。
千禧湯入り口にある券売機です。
千禧湯の泉質は『青硫黄泉』です。
強酸性の泉質ですが、私たちはピリピリする感じはありませんでした。
そう言えば、強酸性湯のために着替える前にちゃんと温泉の成分を流したほうがいいようです。私はこの記事を書くときに知りました笑。私は温泉成分がもったいなかったので、着替える前に一番熱くてきれいなお湯で体を流して、それでシャワーを浴びずに帰りました。特に私は、なんともありませんでした。それでも、子どもたちは引いていましたし、皆さんはシャワーを浴びてから帰ってくださいね。
ちなみに、お湯のシャワーは有料です。温泉に入る前に水シャワーを浴びましたが、12月の台湾で水は結構修行の要素がありますが、楽しいですよ。旅ですねぇ。
『千禧湯』と『瀧乃湯』どちらに入るか迷いました
実は2回めに温泉に入るときに、「別の温泉にも入ってみようか?」という話が上がりました。
というのも、この時点では滞在中にもう一度北投温泉に来る予定でした。合計3回入るチャンスがあるから、1回は別の温泉もいいかもねぇと。
水着を着ないで北投温泉に入りたい人は『瀧乃湯』がおすすめ
瀧乃湯も千禧湯と同じように日帰り入浴専門の施設です。創業から100年以上がたっています。改装したばかりですが、趣の感じられる造りです。
瀧乃湯は男湯と女湯に分かれていますので、水着の着用はなしで内湯のみ。ひとり150台湾ドル。時間で区切られていませんので、好きなだけ温泉でのんびりできます。
千禧湯ほどではありませんが、瀧乃湯もかなり早い時間から営業しています。朝の6:30~21:00まで。家族風呂のような貸切タイプは12:00~18:00です。
青礦(ラジウム泉)で、温度の違う浴槽が2つあります。ぬるめの温度ではないので、『江戸っ子』向き?と言えます。
こちらもかなり酸性の泉質なので、ピリピリくる人もいるようです。
日本語で書かれた温泉の案内もあります。シャンプーやタオルの販売もしています。ふらっと来たけれど、温泉に入ってみようかと気持ちが動いた人も心配なしですね。
迷った結果、選んだのは『千禧湯』
3回目があることが前提でしたので、揺れました。指定の水着でないと入れなかったり、温泉のルールからはずれてしまうと笛を吹かれたり、人気なので混んでいますし、ロッカーが壊れていたり、更衣室がちょっと着替えづらかったりと気になるところはあります。
それでも、やっぱり私は千禧湯が好きです。
温泉自体もとっても良いですし、なんと言っても台湾の人たちに混じって同じように温泉で幸せに感じられるあの空間は、なんとも言えない贅沢な環境です。
台湾を出る前にもう一度、千禧湯へ来る予定でしたので迷いました。別の温泉も入ってみようかと。瀧乃湯の情報をチェックしてから、北投公園のベンチに座って子どもたちと一緒に話をしました。
私はすんなり瀧乃湯になるだろうと思っていました。というのも、入ったことのない温泉であるし、日本風のお風呂に入れるからです。ところが、子どもたちが選んだのは千禧湯でした。
長女と次女は瀧乃湯にも入ってみたいのですが、裸でお風呂に入ることにちょっと抵抗がありました。長男くんは、熱いお風呂と水風呂の両方に入りたいと言うのです。すると自然に選択肢は、千禧湯。
リニューアル後の瀧乃湯の写真です。今度行ったら、やっぱり入ってみたいなぁと思いますが、それでも千禧湯にするかもしれません。どっちにしても楽しみです。
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