発芽玄米に失敗!原因はお米の乾燥温度?手間と労力のかかるお米づくりの現状

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発芽玄米を作ってみようと思いお店で買ってきた玄米をつけてみても、「いっこうに芽が出ない。」経験をしたことがある人は、意外と多いのではないでしょうか。手順通りに水につけて6~12時間毎に、新しい水と替えて3日待ってはみたものの虫眼鏡を使って、覗き込んでみても芽が出ていなことがあります。

 

発芽玄米づくりに大切なポイントと、どうして芽が出ないことがあるのか、その原因をお伝えします。上手に玄米を発芽させて、玄米の持つパワーを120%いただきましょう。

 

まずは、「どうして玄米から芽が出るのか」「稲刈りの段階で発芽率を下げる可能性」を手作業の稲刈りの様子を交えながらお伝えします。

 

 

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どうして玄米は発芽するのか?

 

田んぼや畑の暮らしとは全く縁がなく高層ビルに囲まれた街で暮らしていると、毎日食べている食べ物がどんな風に作られているのか、想像つかないことばかりだと思います。

 

お米そのものがお米の種です

 

野菜が生きていることは、多くの人が実感していることと思います。野菜たちは美味しく食べてくれたら、嬉しいだろうと(希望)思う気持ちもあります。本来の野菜たちは、花を咲かせ実を結ぶために、大地に根を張りお陽さまを浴びて日々大きくなっています。

 

野菜の種はどこにある?

例えば、真っ赤に熟れたトマトを丸かじりすると、美味しい果肉の中に汁があり実があり、が入っています。サラダやパスタに大活躍のトマトは、その実の中に種があり、この種を「種取り」して種を蒔くと、芽が出て苗が育ち花を咲かせます。そして、緑色をしたトマトがたわわに実り、お陽さまを浴びるごとに、赤い美味しいトマトになっていきます。

 

それでは、おでんや煮物に大活躍の大根はどうかというと、大根の根の中には種は見当たりません。葉付きの大根を買ってきても、種らしきものはどこにもありません。

 

大根は大きく根をつけて葉を伸ばして、花を咲かせる準備を整えます。準備たすっかり整い調度良い気温になると、花を咲かせ実をつけるために栄養が使われるようになります。小さな花をたくさん咲かせ、その後に種が実ります。この種を収穫して、種まきをすると、かわいらしい大根の双葉が芽を出します。

 

人参も、ごぼうも同じです。

 

根菜類は、花をつける前の野菜の美味しい根っこの部分を頂いているのです。

 

お米ひと粒から1000粒のお米が実る

お米は、種そのものです。

秋に収穫したお米が、次の年にお米を育てるための種になります。まさしく、稲の命を頂いています。(稲も花を咲かせます。気をつけて見ないと見すごしてしまいますが、小さな花をたくさん咲かせます)

玄米は種そのものですので、条件が揃えば自然に目がでます。

機械を使わないお米づくりは重労働以上

稲穂が黄金色に輝き、稲穂が垂れてくると、晴れの日に合わせて、稲の収穫をします。

 

高価で便利な機械がなかったり、手作業にこだわる場合には鎌と稲わらを手に、稲の手刈りをしていきます。ムンギュと稲の束を左手で持ち、右手に持った鎌で、ひと束一度に刈り取ります。ひと束で、結わってしまうと少ないので、5回ほど刈り取りをしてから、稲わらを使って、大き目のひと束にまとめてきます。

 

後は、ひたすらこの作業を繰り返していきます。

 

稲刈りをする人数と、田んぼの大きさにもよりますが、日頃体力を使わない現代の私達には、ものすごい重労働です。子供がいたら、子供も総動員。友達家族に声をかけて、手伝ってもらうと助かります。

 

稲刈りが終わるか、または同時進行で稲を干す台を、竹などを使って、田んぼに組み立てていきます。この台を建てる方向もとても大切です。お陽さまがどの方向で動く(いえいえ、動くのは地球です)のかをちゃんと確かめてから作り始めます。

 

稲刈りをしたら、すぐに食べられるわけではありません。2~3週間ほど、稲架(はざ)掛けしてから、調度よい乾燥具合まで水分を減らします。

 

お米作りのプロは、絶妙の乾き加減は、奥歯で噛めばわかるそうです。

 

どの歯で噛んでみてもわからない場合には、お米の水分を測る簡易的な道具があるので、それを活用します。水分を残しすぎると、カビが出やすくなりますし、乾かしすぎると美味しくありません。

 

天日によく当たる部分は乾燥しやすいのですが、内側にある稲は乾きにくいので、余裕があればひっくり返します。

 

この間に台風が来たら大変です。稲が濡れてしまうことも避けたいのですが、干している台が、強風で倒れてしまうことも!そんな衝撃的なことが発生したときには、あまり余計なことは考えずに、目の前の現実を受け入れます。水を吸って、ものすごく重たくなった稲を取り外すなり、稲ごと台を立て直すなりして、田んぼに浸ってしまった稲の束を救出します。

 

脱穀して籾摺りをして玄米、精米して白米

水分が15%くらいにまで下がったら、脱穀をします。籾を稲から外します。千歯コギや足踏み脱穀機を活用して、籾の状態にすることもできます。誰か親切に脱穀機を貸してくれる人がいたり、農協などにお願いをしたりして脱穀をしてもらえたら、ものすごく助かります(笑)。

 

脱穀をした後の硬い皮に包まれてる状態が、籾(もみ)がついたお米です。種まきから始まり、ようやく脱穀しても、このままではまだ食べることはできません。この硬い皮を取るのですが、これもやはり籾摺り機(もみすりき)を持っている人を探すか、コイン精米機に籾摺りがついているものを見つけるのがベストだと思います。

手作業を大切にしたい場合には、ここで「石臼」が大活躍します。

 

籾を取り除いたお米がようやく「玄米」です。

 

玄米も美味しいけれど、新米はやっぱり白米を食べたいと思うのなら、もうワンステップ。『精米』が必要です。玄米の皮を精製して、白いお米にしていきます。

 

小さい時に籾殻入りの枕を使っていたことがある人もいるのではないでしょうか。その籾は、玄米を包んでいた硬い皮です(蕎麦のモミだったかもしれません)。そして、白米にする過程で出てくるのが、「」できゅうりなどのぬか漬を作る糠床の原料になります。

 

稲は丸ごと私たちの暮らしの中で活躍します。ムダにするところがありません。稲のくきの部分は、草履にしたりしめ縄にしたりと大活躍です。または、田んぼに戻せば、田んぼの栄養になります。畑でかぼちゃやスイカを育てるときに、敷き藁としても重宝します)

 

来年、田植えをする時の種籾にしたいのなら覚えておいてほしいこと

自分の田んぼで育てた稲を来年の種籾として使う場合には、真空パックの袋か缶や瓶に入れて、虫がつかなようにきちんと保管しておきましょう。

 

その他にも、生きた(眠っている)状態で種籾を保存するためには、気をつけたいことがあります。

 

鎌を使って手刈りをして天日で干す場合には心配ないのですが、コンバインなどを使って一気に収穫から脱穀選別までする場合には注意が必要です。種籾用の苗は別に手刈りをして、お陽さまに当てて、ゆっくりと乾燥させることをおすすめします。

 

じっくりと乾燥させることで、稲に残っている栄養分がお米に移り、より美味しいお米になります。そして、収穫後も稲は光合成を続けているので、熟成がより増していきます。

 

もう一つ天日干しをおすすめする理由があります。それは、コンバインで脱穀されて籾になったお米は、機械を使って高温で短時間で乾燥される場合がほとんどです。すると、おいしさだけではなく栄養素にも影響を与えます。そして、機械で高温で乾かされたお米は、発芽率が低下してしまいます。

 

コンバインが普及するようになってから、稲の収穫にかかる時間が短縮され、体がとても楽になったことは事実です。高齢化が進み兼業化が進む農家にとっては、なくてはならない機械になっています。

 

実際に、現在では約90%のお米が機械で乾燥されています。鎌を使って手で刈らないまでも、バインダーと言って苗を切りながら、稲架掛けしやすいように結んでくれる機械で稲刈りをする農家も、ものすごく減っています。

 

発芽する玄米を見つけることが、発芽玄米成功の鍵

 

機械を使って高温で乾燥した玄米の発芽率は、高くはありません。

 

こまめに水を変えて、2,3日待ってみても発芽玄米にならないのは、お米を乾燥したときの温度が大きく左右しているかもしれません。

 

また、古いお米も発芽率が下がるので、できればお米農家から直接買うなどして安心して食べられる玄米を見つけたいですよね。それに、発芽玄米にしないまでも、すでに芽を出す力がなくなっている玄米を食べるのでは、なんとなくですが玄米を食べる理由が小さな気がします。それは、白米でも近いことが言えるのではないでしょうか…。

 

本当なら、主食のお米くらい自給できたらどんなに素晴らしいかと思います(笑)。

 

言うのは簡単です。お米を作るのは現代人の想像を遥かに超えるほど、手間と労力がかかります。
毎日食べる野菜やお米などは、せめて顔のわかる関係の人から購入できれば、中間マージン?や流通業者に払う出費を抑えられるので、お互いにとってよりよい関係が築けると思います。

 

発芽しにく玄米の原因は玄米を乾燥させるときにある?と書きましたが、このことも突き詰めれば、多くの人が『農業』から離れたことも無関係ではありません。

誰が悪いとかをいいたいのではありません。

多くの人が街での仕事に憧れ、大切な食べ物を作る素晴らしい仕事の魅力が薄れてしまったこともあるでしょう。
そして、自国の農業を守る政策からそれてしまい、重労働に見合った収入にはつながりません。すると余計に高齢化するばかりで、ものすごく高額な機械を買わないと、田植えや稲刈りもできない現状があります。

そのひとつの結果として、発芽しやすい玄米が減ってきていると思っています。

 

玄米を発芽させるためのポイント

 

天日干しや低温で乾燥された玄米を見つけたら、玄米が発芽しやすい環境を作って自然と芽が出てくるのを待ちます。

 

玄米が芽を出そうと思うには、一定の温度と時間が必要です。玄米が芽を出す温度は意外と高く、30度~35度が目安になります。地域にもよりますが、夏なら部屋の温度がちょうといいでしょう。

 

30度以下になると発芽しないかと言えばそうではなく、10度位から芽を出そうと動き始めるのですが、実際に目が出るまでに時間がかかります。冬は部屋の中でも暖かめのところに置くなどして、玄米が芽を出そうと思う環境を作りましょう。

 

水は、夏なら8時間おきくらいに変えて、酸っぱくなるのを防ぎます。

 

発芽具合はすべての玄米から、くちばしのような芽が出るまで待つ必要はありません。よく見てみると、なんとなく小さな芽が出てきている玄米が、ちらほら見えるようになったら、発芽成功です。

 

このときがGABA(ギャバ)などの栄養価も高く、とってもおいしい玄米に炊きあがります。

 

発芽するまで、ずっと水につけておく必要もありません。まる1日浸水したらザルに上げて、水を切った後にボールなどに移しておいても大丈夫です。十分に水分を含んでいるので、発芽は進みます。この時、乾燥から守るために、濡れた布巾をかぶせておきましょう。

 

週1ペースで、発芽玄米を始めよう

 

今まで発芽に成功しなかった人は、どんなふうに乾燥された玄米なのかを、チェックしてみましょう。少し割高になるかもしれませんが、美味しくって栄養価の高い玄米は、私達の体や気持ちにいいことがいっぱいあります。

 

GABAには脳の疲れを取る働きもあるので自分や子供たちのために発芽玄米を炊いて、体と心を癒やす時間を作りましょう。また、豊富な食物繊維が有害物質などの排毒効果を高め、さまざまなビタミンやミネラルが誰もが持つ新陳代謝を上げていきます。

 

週1ペースで発芽玄米を取り入れて、あたなの毎日をキラキラと輝く時間にしていきましょう。

まだまだある玄米の嬉しい栄養素の紹介はほかのページでしています。玄米の魅力にびっくりします。美味しいお米を育てている農家の人を見つけて、週1回の玄米生活始めてみてください。

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