パンと言えば、真っ白でふわふわのイメージを持っている人も多いかと思います。パンは世界中で食べられている食べ物で、日本では見たこともないようなパンが、実はたくさんあります。
ここでは、免疫力をぐんとアップすることのできるマクロビの無酵母パンを紹介します。
全粒粉を使うので、真っ白いフワフワのパンしか食べたことのない人にとって、始めのうちは食べづらいかもしれません。その美味しさを実感することができたら、またすぐに作りたくなると思います。
そうなんです、無酵母だから簡単に自宅で焼くことができるんです。オーブンもいりません。フライパンで美味しく焼ける「パンオサワ」のレシピを紹介します。
全粒粉の微量栄養素がたっぷり入っているので、体を元気にしてくれる上にダイエット効果も期待できます。その秘密もまとめてあります。
目次
『パン』の発祥地はどこでしょう
私は自称『パン族』と言っているほど、パンが大好きです。もちろんご飯もうどんも好きですが、あっパスタも。見知らぬ町でパン屋さんを見かけるとつい、入ってみたくなります。
私だけではなく、パンがないと1日が始まらないというほど、パンが大好きな人はたくさんいます。すでに、主食のひとつとして定着しているパンですが、日本に入ってきたのは450年ほど前のこと。パンをよく食べ始めるようになったのは、ほんの100年ほど前になります。
(戦後、無償で始まった小麦粉の配給が学校給食で使われたことで、パンの文化が子供の世代から普及していきました。)
パンは英語ではなくポルトガル語になりますが、パンが生まれた場所は中東です。4500年前のメソポタミア地方が、パンの発祥地と言われています。そして、世界中に広まりながら、色々な形が生まれ、ノン、サンギャク、タラーミーなどど名前がつけられ、世界のあちこっちで沢山の人たちがそれぞれの形のパンを毎日食べています。
フワフワしている白いパンだけがパンではない
多くの人が好んで食べているパンは、真っ白でフワフワしていてトースターで焼いて、バターやジャムを付けて食べているパンではないでしょうか。真っ白いパンがこんがり焼けている様子はとても食欲をそそりますが、パンが白いということは原材料の小麦粉も白いということになります。
やっぱり小麦も皮の部分に優れた栄養素がたっぷり入っています
健康や美容を意識している人ならもう知っているかと思いますが、真っ白い小麦粉は美味しくって、栄養のある大切な部分を精製して取り除くことで真っ白い色になっています。
真っ白い小麦粉しか見たことのない人にとってみたら、「白くない小麦粉があるの?」ということになるかもしれません。「全粒粉(ぜんりゅうふん)」と言って、表皮(ふすまになる部分)と胚乳、胚芽を一緒に製粉した小麦粉があります。
胚芽と表皮には白い小麦粉に使われる胚乳部分よりも、多くのビタミン、ミネラルが含まれています。白い小麦粉に比べると、3倍も多くの鉄分があります。貧血気味の人にも白いパンよりも、ふすまや胚芽も一緒に入った全粒粉をぜひ選んでほしいです。
そして、抗酸化作用があり体の免疫力を高めるポリフェノールも全粒粉には、たっぷり入っています。(アンチエイジングです…ふふ)水溶性と不溶性の両方の食物繊維が豊富なのも、全粒粉の特徴です。
まるで玄米やオクラのようです!
ミネラルやビタミンがたっぷりのパン
お気に入りのパン屋さんへ行っても、いつも買うものは決まっていると、美味しく焼き上がっている他のパンにはなかなか意識がいかないこともあるでしょう。実は、町のパン屋さんにだって、全粒粉などを使った、健康面を考えた美味しいパンがけっこう並んでいます。
カントリーブレッドやファーマーズブレッドなどど名前がつけられていることもあるので、見当たらない時にはお店の人に聞いてみてください。
サンドイッチのチェーン店「サブウェイ」にも、全粒粉のバケットがあります。サンドイッチに力を入れているカフェなら、パンの種類も選べるところが多いと思います。真っ白いパンが大好きな人も、全粒粉のパンを一度試してほしいと思っています。
全粒粉パンが持つダイエットパワー
『太る』『脂肪として蓄えられる』なども、化学的にどんどん解明されるようになっています。今では、食べ物に含まれる『糖質』が太る大きな原因と言われるようになり、糖質が低いものや糖質がカットされた商品が、コンビニでも気軽に買えるようになっています。
糖質ダイエットをする時に気をつけたい注意点
実は、全粒粉のパンと精製されて白くなったパンは、カロリーも糖質も殆ど変わりませんが、全粒粉で焼いたパンのほうが『太りにくい』パンなのです。
それは、食べたあとの血糖値の上がり方に大きな違いがあるからです。
ちょっとややこしくなりますが、血糖値やインシュリンなどの性質をよく把握しておくと、同じような食事をしていても脂肪として体に蓄積していく量が違ってきます。
糖質は私達の生命を維持するためには必要な栄養素です。特に脳が働くためには、糖質が不可欠です。極端な糖質ダイエットや安易な糖質制限は、体の不調の原因にもなりますので、気をつけてください。
糖質の量だけで判断しないで、GI値も意識しよう
糖質はなくてはならない栄養ですが、血糖値を急激に上げる性質がある食べ物には、注意が必要です。
例えば、砂糖がたっぷり入った飲料水。
飲み物なので、ついついカロリーを意識せずにたくさん飲んでしまったり、スポーツの後などには、のどが渇いているので水のように飲んでしまうこともあるでしょう。
実は、スポーツドリンクや炭酸飲料には見えませんが、たくさんの白い砂糖が使われています。体の中に急激に糖質の高いものが入ってくると血糖値が上がるので、その血糖値を下げるためにインシュリンがフル活動をします。
すると、エネルギーとして糖質が使われる前に、次々と脂肪として蓄えられてしまうのです。これが太ることになります。
もちろん糖質の高い食べ物を取りすぎないことも大切ですが、食べたり飲んだりした後に、血糖値がどんなふうに上がっていくのかが大切なポイントになります。血糖値の上がるスピードを表す単位があるので糖質を制限したい人は、この「GI値(グリセミック指数)」も意識しながら食べ物を選択していきましょう。
GI値が100に近いほど、血糖値が急激に上がる食品になります。数値が55以下だと、上昇が緩やかな食べ物に分類されます。
精製された白い小麦粉で焼かれたパンは、一般的にGI値が91~93。全粒粉100%のパンなら、同じ量を食べてもその数値は50まで下がります。
GI値の高い食べ物はイライラや不安定な気持ちの原因にも
GI値の高い飲み物や食べ物を取ると、インシュリンが急激に上がった血糖値を下げてバランスを取ろうとします。すると、今度は急激に下がってしまった血糖値を上げるために、体は『アドレナリン』を放出します。
一生懸命体の中でバランスを保とうと努力しているところに、また、甘い飲み物を一気に飲んでしまうと、インシュリンが出て、次にアドレナリンが働き出します。この極端な振り子状態が、体の中で毎日何度も行われるようになると、情緒不安定になったり自律神経にまで影響を与えるようになります。
白砂糖のGI値は109。黒糖は99。てんさい糖は、65と言われています。(ココナッツから作られる、グラメラはGI値は35。)この数字を見ると、白砂糖の多用は、控えたほうがいいと、すぐに分かるのではないでしょうか。
てんさい糖は他の砂糖と比べるとかなり低い数値になっていますが、それでも砂糖であることに変わりはありません。てんさい糖だから、いくら食べても大丈夫というわけではありませんね(笑)。
また、粉食よりは粒状のままのものを食べたほうが、血糖値の上昇が緩やかになるようなので、粉物ばかりが続いた時には気をつけたいですね。
超簡単!パンオサワの作り方
伝えたいことが次から次へと出てくるので、核心にたどり着くまでにいつも時間がかかってしまいます(すみません…順を追って読んでくださる方、ありがとうございます)
パンオサワの材料は水と油を入れても、たったの5つ
パンオサワを作るに油を足すレシピもありますが、私はいつも油は入れていません。それでも充分以上に美味しいですが、お好みで加えてくださいね。
必要な材料は、5つです。
全粒粉
小麦粉
塩
水
フライパンに入れる油
大体の分量は小麦粉100g、全粒粉100gが目安です。軽めのパンオサワが食べたい時には、全粒粉の量を減らしたり、ちょうど雑穀の粉や玄米粉がある時には、お好みで混ぜてみると楽しいと思います。
最近では、小麦粉を取らないように心がけている人も増えてきています。
そんな場合には、米粉やさつまいも粉、ココナッツの粉やバナナの粉なんかも人気が集まっています。
水の量もお好みと言えばお好みですが、入れすぎは注意です。耳たぶくらいの硬さを目安にしてください。大きめのボールかまな板の上で、しっかりこねましょう。5分位、生地をこねたあとは、濡れた布巾をかぶせて30分くらい置いておきます。
この間に洗濯物をしたり、掃除をしたりできます。(すぐに焼きたい時には、こねた後すぐにフライパンで焼き始めましょう。)
熱したフライパンにお好みの油を入れで、薄めにのばした生地を入れます。弱火にして蓋をして、15分ほど焼きます。蓋を開けてみて、表面も焼けてきているようなら裏返しをして、5分ほど蓋をしないで焼き上げます。
食べやすい大きさに切ったら出来上がりです。
お財布にもとっても優しいパンオサワ
生活クラブや生協などで、こだわった小麦粉が1kg300円位で売られています。全粒粉は、少し高くなりますが両方合わせて、1200円位で2kgです。小麦粉に1200円と聞くと高いと思いますが、栄養素がたっぷり入った全粒粉のパンが、8個から10個買えるとなると、かなりお得な感じではないでしょうか?
体にいいことづくしの、朝ごはんやおやつ10回分です。
パン屋さんで買ってくれば手間もいりませんが、パンオサワは無酵母パンです。食べたいと思った時に、すぐに焼くことができます。少し大きな子供なら何度か一緒に作れば、こねる作業をお任せすることもできるのではないでしょうか。
フライパンでササッと焼けちゃう、無酵母パン。
ぜひぜひ、あたなのお気に入りのレシピに加えて、おいしさを満喫してください。そして、毎日元気に暮らすために、免疫力をアップしていきましょう。
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