利用する飛行機の時間帯によっては、自宅や滞在先などから直接空港向かうと間に合わないので、前泊が必要です。
特に、予算を抑えてLCC(格安航空会社)で旅をする場合は、チケット代が節約できるのは嬉しいのですが、真夜中すぎや早朝便のこともよくあります。どうやってもそのフライトに合わせて空港へ行くには、近くで宿を取らなくてはなりません。
結果として宿代を考えると、予定よりも高くなってしまうことがあります。
そんな時に選択肢に入れてほしいのが、『空港泊』です。
空港泊と言っても空港内にあるホテルに泊まるのではなく、空港の中の椅子やカーペットスペースを利用して、休息を取るので予算はゼロ。今回は、開港40年を迎えた成田空港での空港泊を紹介しますので、次の旅の計画を立てる時に参考にしてください。
実は、成田空港は24時間空いている空港ではありません。真夜中やかなりの早朝にはフライトがないので、離発着する最終便の後には出発ロビーなどへは入れません。
それなら、成田で空港泊はできないのでは?と私も少し心配しました。夜中に入れないのは、出発ロビーから先のエリア。その他の施設は利用できます。成田空港第2の空港泊の様子を中心に紹介します。
目次
LCCだからと言って、第3ターミナルとは限らない
空港泊を紹介する前に、成田空港について簡単に説明をしておきます。ターミナルを間違ってしまっては、空港のソファで朝起きてから大慌てすることになってしまいます。自分の利用する航空会社がどのターミナルなのか、空港泊をする前に確認しておきましょう。
成田空港の生い立ちを踏まえながら、ターミナルの紹介をします。
ひょっこり空港ができたわけではありません
今では格安航空会社も増え、開港当初では考えられないほどの価格で飛行機に乗れるようになりました。私たちが国内や海外まで旅に出ることができるのは、ひとつひとつの歴史があり、恩恵があってのこと。
簡単に、成田空港の歴史を振り返ってみましょう。
経済成長や海外への需要の増加から、羽田空港だけでは東京近郊のフライトを満たすことができなくなると予想されるようになります。1966年に成田に新国際空港を作ることが、内閣で決定されました。
実際に成田空港の建設が完了するまでに12年の月日が流れ、当初予定をしていた1972年の開港から6年後の1978年に新東京国際空港の幕が開きます。
予定から大幅に遅れて建設が終了したのには、成田空港建設地に暮らす人たちに事前にきちんとした説明がなかったことが、最大の原因と言われています。今までの暮らしを続けることが、できなくなってしまう人たちに解決策を提示することができないまま、抵抗と鎮圧が重なり、亡くなる人も出るほどの力と力などの衝突後、成田空港が完成します。
開港後も反対住民側の抵抗は続きましたので、時間の流れとともに、数え切れないほどの出来事や感情が生まれます。そして、開港計画から、30年以上たった後に国や地方、成田空港近辺で暮らす人たちとの間に『共存』へ向けての話し合いが行われました。
現在でも、全ての思いが納得できる形に収まっているわけではありませんが、この長く続いた争いを忘れないためにも、2011年に成田空港側が『成田空港 空と大地の歴史館』を作ります。
そして、国や自治体だけではなく、住民も一緒に参加する形でこれからの成田空港のあり方を模索する試みも始まっています。
LCCで予約をしても、ターミナルは要確認
LCC専用ターミナルとして、成田空港に第3ターミナルが2015年に開設されました。電車で行く場合には、降りる駅は第2ターミナルと一緒。ただし駅の改札あたりから、搭乗口までは30分位かかります。
成田空港からバニラエア、ジェットスター、チェジュ航空、春秋航空日本を利用して旅に出る人はLCC専用の第3ターミナルを利用します。
同じLCCでもタイガーエアやタイ・エアアジアX、スクートなどは第2ターミナル。そしてピーチエア、タイライオン・エアは第1ターミナルになるので、要注意です。(2019年9月)
成田空港第2ターミナルで空港泊をしよう
『空港泊』と聞くと、「隠れるようにして隅の方でコソコソと眠るのでは?」と思ってしまう人もいるかもしれません。もちろん、そんなことはなくフライトや空港によっては、空港でひと晩明かさなくてはならないことはよくあることです。
始めのうちはちょっとドキドキすることもあるかもしれませんが、周りを見渡せば、いろいろな人が、空港のあっちこっちで思い思いのスタイルで眠っています。
世界中の空港で『Sleeping in Airports』をするためのガイドページ
世界の空港では、毎日数えきれない人がホテルや有料ラウンジを利用することなく、ごくごく当たり前に『空港泊』、空港での素泊まりをしています。マレーシアにあるクアラルンプールでの空港で子供と一緒に空港泊をした時の様子を書いたページもありますので、日本以外の空港で、空港泊を計画している人は、のぞいてみてください。
そして、英語のサイトになりますが世界中の空港を対象にして、空港泊がしやすい空港やあまりおすすめできない空港の詳細が載っているサイトがあります。そして、空港泊をするために気をつけたいことや実際にその空港に泊まった人の感想、そして空港ランキングまで乗せています。
空港泊が自由にできるようになると選べるフライトが増えますし、予算をぐんと抑えることもできます。もちろん最低限、気をつけたほうがいいことはありますが、それほど心配をすることはありません。
空港泊をするために旅に出る必要もありませんが、空港泊を選択肢に入れることで、旅の幅が広がりますよ。
成田空港の公式サイトにも書かれている24時間休憩可能スペース
それでもやっぱり空港泊をするのは気が引けるという人は、ぜひ成田空港の公式サイトを見てみてください。
早朝便を利用する人に向けての案内が書かれているページがあります。何時に出発ロビーへの入口が開くのか、24時間空いているコンビニやお店の案内、そして24時間休息可能なフリースペースのことが紹介されています。
成田空港は空港泊をする人にかなり親切な空港だと思います。中には、空港泊がしにくいところもあるかもしれません。一定基準の設備を満たして、空港泊をしたい場合には、事前にチェックしておきましょう。
16畳の畳もある24時間利用できるフリースペース
成田空港は第1ターミナルにも、24時間休息できるスペースがあります。テレビや自動販売機などの設備はありますが、肝心のスペースが広くありません。もし、第1ターミナルから、飛行機に乗る予定でフライト時間に余裕がある場合には、第2か第3ターミナルへ行ってみることをおすすめします。
ただ、第2第3ターミナル間は歩いても移動できるのですが、第2と第1間の移動はバス(5時台始発)や電車を使わないとならないので運行時刻を確認してください。
第3ターミナルには、フードコートが充実していて、そのすく側に足を伸ばせるソファが常設してあります。ただ、利用する人数と比べてしまうと、ちょっと競争率が高いかもしれません。
成田空港内で、空港泊をするためのスペースと言ってもいいところが第2ターミナルにあります。『北ウィングエリア』と呼ばれるこの場所には、横になれるたくさんの椅子だけではなく、足が伸ばせるソファ、16畳もの畳のスペースもあります。
コンセントやフリーWIFI、自動販売機や自由に読める雑誌も完備しているので、空港泊が初めての人でも安心してすごすことができるのではないでしょうか。
まだまだある、北ウィングエリア以外にもある空港泊スペース
わざわざ、北ウィングまで移動しなくても、第2ターミナルの1階と2階にも横になって休息できるスペースがあります。畳にこだわりがなければ、出発ロビーに近いこの場所でも、十分空港泊できます。
1階には24時間空いているセブンイレブン、2階には吉野家があるのです。どちらの店舗も24時間営業です。
ちょっと離れたところには、ガラガラの椅子が並んでいます。もちろん肘掛けはないので、足を伸ばして横になれます。静かな場所で休みたい場合には、かなりおすすめです。
実際に私が空港泊をしたのは、このタイプの椅子です。全体を写すことができなかったので、広さは伝わりにくいかと思いますが、私の他にも、あと2人アジアの女性が横になって眠れました。
日本人だけではなく、西洋の人もアジアの人も結構横なって休んでいました。
空港泊の治安面は大丈夫?
空港泊をする時に、一番気になるのは安全面だと思います。空港内は比較的安全では?と思っていますが、友達の家やホテルとは違います。やっぱりある程度は気をつけながら、休息を取ることをおすすめします。
荷物はひとまとめにしておく。ロープがあれば縛っておけば、ひと安心だと思います。ただ、私の向かいに眠っていた年配の西洋人カップルは、ソファの下に荷物をおいて、熟睡していましたし、隣の日本人カップルは、スーツケースの中身を広げたまま、二人していなくなってしまいました。
まぁ、成田空港は、警察官や空港の警備の人などが常に見回りをしているので、かなり安全度の高い空港泊ができる場所だと思います。
空港泊のまとめ
2017年の秋に、台湾にある北投温泉へ行く時に、羽田空港で数時間の仮眠を取りました。この時には数時間ということもあり、特に下調べをしたり空港泊ができるスペースを探して歩くことはしませんでした。
調度空いていた椅子に腰掛けて眠ったのですが、それでもどこでも眠れる性質なので、首は痛かったものの熟睡をしてしまいました。そして一番下の娘に起こされました!もし、彼女も熟睡していたらと思うと、ちょっと頭が真っ白になりました。
空港泊が快適にできることはとても理想ですが、熟睡しすぎて、搭乗時間がすぎてしまうことは誰にとっても避けたいことです。
現地時間を確認して、目覚ましをきちんとセットしておきましょう。さぁ、次はどこの空港で一夜の休息を取りましょう。
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